ロシアの侵攻が続くウクライナから逃れた避難民の受け入れが日本でも広がりつつある。

 おととい政府専用機で迎えた20人のほか、日本に知人や親族がいる人を中心に400人以上が既に入国している。

 戦闘収束と帰郷にめどが立たない中、来日後の暮らしを見通す上で就労とともに重要とされるのが子どもの教育だ。

 日本政府は、通訳や日本語教育などの支援メニューを掲げたが、自治体や学校などでの具体的な取り組みはこれからだ。

 今回の受け入れでは、政府は人道上の配慮で特例的に対応する「避難民」と位置づけ、国際条約に基づく「難民」に保障される権利への対応は曖昧にしている。

 欧米などに比べて日本は外国人受け入れの経験、態勢がともに乏しい。国際社会の要請にも応える抜本的な対策強化が急がれる。

 国連児童基金(ユニセフ)によると、ウクライナでは200万人の子どもが国外に逃れ、国内避難の子も250万人超に上る。戦争後の国の将来を担う次世代の学びの確保は大きな課題だ。

 日本では外国籍の子どもの就学義務はないが、希望すれば公立学校が無償で受け入れる。日本が批准している国際人権規約や子どもの権利条約は、外国人も含め学ぶ権利を守るよう国に義務付け、就学促進の責任があるためだ。

 だが、文部科学省の調査で、義務教育年齢にある外国籍の子どもで国公私立小中学校や外国人学校に通っていない「不就学」の可能性のある子どもは、昨年5月時点で全国の約1万人に上る。

 3年前の初調査からほぼ半減し、自治体による実態把握と支援がある程度進んでいるというが、極めて不十分だ。言葉の問題で就学案内を保護者が理解できなかったり、授業についていけなかったりする事例が少なくないという。

 外国籍の高校生らの中退率は5%超と全体平均の約5倍に達する。高校、大学などへの進学率自体も低い傾向にあり、将来の選択肢を狭めかねない。

 国は、学校内外で日本語を教える語学指導員のほか、母語で学習や生活相談に応じる自治体の支援員の増員を掲げており、きめ細かなサポート態勢の充実が求められよう。

 ウクライナ避難民の支援では、全国15の日本語学校が無償で日本語教育を提供する意向を示している。京都、滋賀を含め各地で国際交流・支援に取り組むNPOなどとの地域連携も有効だろう。