京都市立塔南高(南区)

京都市立塔南高(南区)

 京都市南区の市立塔南高の男性校長(55)がタイで実施した生徒の海外研修旅行を引率した際、夜に飲酒していたことが分かった。校長は酒の一部を旅行業者から提供を受けており、市教委は7月に校長を教育長厳重文書訓戒処分にしていた。市教育委員会は生徒の引率中は夜間でも飲酒しないよう教員に伝えている。引率教員の勤務時間外の飲酒に対し、京都市教育委員会は時間外を考慮した処分を行ったが、一方で、終日子どもを預かっている観点から時間外も厳しく処分する教育委員会もある。判断が分かれる背景には、教員の働き方に関する問題があると識者は指摘する。


 文部科学省によると、小中高校の修学旅行などに関する通知に教員の飲酒に関する記載はないが「引率教職員がみずからの責務を自覚し、自己の行動を厳に慎むようにすること」と記されている。引率教員の飲酒をどのように扱うかは各教育委員会に委ねているという。
 勤務時間中の飲酒は職務専念義務に違反しているなどの理由から厳しい処分となるケースが一般的だ。香川県教委は7月、修学旅行の昼食時に中ジョッキ1杯のビールを飲んだ県立高の教員らを懲戒処分とした。
 一方、時間外では教育委員会で判断が分かれる。京都市では昨年と今年、市立中教員による修学旅行での消灯後の飲酒が2件あり、いずれも懲戒に至らない文書訓戒処分だった。
 勤務時間に関係なく処分の指針を設けているのは横浜市。校外学習中の飲酒を懲戒の対象とし、2015年には深夜に飲酒した教員を減給処分とした。同市教委は「教員は子どもを終日預かっており、勤務時間外でも指導や対応に当たらなければならないため」としている。
 京都府教委も、修学旅行などで指導の予定があるにもかかわらず飲酒した教職員は懲戒処分の一種である戒告とする処分基準を設ける。担当者は「処分は個別に判断するが、教員は安全配慮義務を果たさなければならず、消灯後だから一律に基準を適用しないという訳ではない」と話す。
 教育現場の法律問題に詳しい神内聡弁護士は「勤務時間内の飲酒は懲戒処分の対象になると考えられる。夜間の引率については急な事態などに対応しなければならず、実態は労働している状態と言えるが、勤務時間として扱う難しさがある」と指摘。「残業代を出さずに教員を何時間働かせてもよいとする給特法(教職員給与特別措置法)の規定から宿泊学習を外し、夜間業務の残業代を支払った上で引率中の飲酒を禁止する明確な規定と処分の指針を設けるべきだ」と話す。