広報まいづるに掲載された多々見市長のコラム

広報まいづるに掲載された多々見市長のコラム

多々見良三市長

多々見良三市長

 京都府舞鶴市の多々見良三市長が市の広報紙「広報まいづる」5月号の連載コラムに「他の議員団と合意できない少数議員団の公約は、全く実現が不可能」「公約を実現できる候補者を選んでいただきたい」と寄稿したことが24日、わかった。市民らからは「少数意見を軽視するような表現」と疑問視する声が出ている。

 コラムは毎月、「ドクターTのひとりごと」のタイトルで掲載されている。

 多々見市長は今月号に「選挙のポイント」と題して投稿。昨年11月の市議選、今年2月の市長選、4月の京都府議選に触れ、投票率の低下を懸念する一方、公約について「事実に基づかない内容や実現が不可能な公約も含まれる。公約の妥当性や実現性を確認し、有権者に知らせる仕組みも必要」と主張した。

 また「候補者が公約を実行するには、財源確保の問題、法令や条例との整合性、利害関係者との調整などが必要」とし、「予算編成権を持つ首長と、議会の過半数以上の議席を有する議員団とが、合意できる内容でなければならない」と述べ、少数議員団の公約の実現に対する否定的な考えや、公約を実現できる候補者選びを呼び掛ける表現で締めくくっている。

 広報紙を読んだ団体役員の女性(55)は「市民のさまざまな考えや少数意見を軽視するように受け取れ、誤解を生む。公的な立場で広報紙に発信するのはいかがか」と苦言を呈した。

 多々見市長は中国に出張中で、市議会が21日に開いた議員協議会でコラムについて議員の質問に答えた川端常太市長公室長は「地方自治法や市議会基本条例に基づき、議会と長の関係について市長の基本的な考え方を市民にわかりやすい表現で述べたもの」とした。

 同志社大総合政策科学研究科の新川達郎教授(公共政策学、地方自治論)は「多数決に至るまで、少数意見をどれだけ尊重できるかが民主主義の質を決める。少数意見が多数になることもある。選挙の政策提案は、実現される前提でなければいけない―との主張は民主主義のメカニズムを否定することになる」と指摘している。

 広報紙は毎月3万4700部発行され、多々見市長のコラムは2012年7月から始まり、76回目。