問題解決に至る経過について地権者らがまとめた冊子と谷川委員長(大津市和邇北浜・住吉台自治会館)

問題解決に至る経過について地権者らがまとめた冊子と谷川委員長(大津市和邇北浜・住吉台自治会館)

 高度経済成長期の乱開発で、登記所の公図と現況が異なる「地図混乱」が生じていた大津市和邇北浜の住吉台地区(230世帯)について、大津地方法務局が現況を反映させた新しい地図をこのほど完成させた。国に対応を求め、20年以上かけて解決にこぎつけた住民らは「諦めないでよかった」と喜んでいる。

 住吉台が宅地開発されたのは1960年代。地図混乱は、複数の業者が土地を売りやすいように行った分筆申請を、法務局が十分な確認をしないまま登記処理したことが原因とされる。現実と地図の地番が合わず地権者がはっきりしないため、トラブルや訴訟が頻発し、市が下水道整備や土砂崩れなどの災害復旧に手が付けられない状況が続いた。

 地権者らは95年に対策委員会をつくり、国に地図の作り直しを要望。問題は国会でも取り上げられた。

 法務省は大津地方法務局に専属部署を設け、2011年度から地図作成に乗り出した。地区内17万平方メートルを対象に、同意した地権者の立ち会いのもとで区画を確認し、昨年度に作業を終えた。境界を巡って係争中の区画は「現地確認不能」と地図に記載する手法を採った。

 対策委を引き継いだ住吉台地番整理協議会の谷川征義委員長(72)は「専門家から解決は難しいと言われ続けたが、大半の地権者が協力したことでゴールにたどり着けた。これで下水道の整備などが進む」と安堵(あんど)する。活動の経緯を冊子に記録し、26日に解散式を開く。

 同様の地図混乱は全国に数多く、京滋では近年、日野谷寺町地区(京都市伏見区)や大萱2丁目(大津市)などで地図が作り直された。法務省は、残る計約140平方キロメートルで再作成を予定しており、担当者は「計画的に取り組み、着実に混乱を解消していきたい」と話している。