【資料写真】大津市民病院

【資料写真】大津市民病院

 地方独立行政法人・市立大津市民病院(大津市本宮2丁目)で多くの医師が退職している問題で、同病院が今春補充した外科系の医師4人に「確保手当」を新設し、本年度給料への加算額が合わせて年額900万円に上る見通しであることが分かった。退職する医師の1人は「病院側は経営改善を理由に退職を迫ったのに、人件費を上乗せするのは理解できない」と批判している。

 同病院では、三つの診療科で京都大から派遣された医師が退職意向を示すか、すでに退職している。このうち外科・消化器外科・乳腺外科は、3月末に常勤医8人中4人が退職したが、4月に大阪医科薬科大から同数の医師を確保した。

 関係者によると、今月8日の理事会で手当規定の改正案が承認され、常勤医の赴任から3カ月間支払う「確保赴任手当」と、毎月払う「確保手当」の2種類が新設された。本年度の場合、二つの手当で1人あたり年間150万~300万円が加算され、今回補充した医師4人に対する加算総額は計900万円になる見通しという。

 同病院では、外科・消化器外科・乳腺外科の医師らが業績改善の必要性を理由に人員の入れ替えを迫るなどのパワハラを前理事長らから受けたと訴え、計19人が9月末までに退職する意向を示す事態になっている。

 同病院の事務局は手当の新設について、「市民病院の給与水準は高くなく、前の病院より給料が下がらないようにする必要があった」としている。

 また、8日の理事会では、3月末で辞任した前理事長に退職金を減額せず支給することや、18日付で院長を引責辞任し院長代行に就任した若林直樹副理事長には、院長と同額の管理職手当を支払う給与規定の改正案も報告・承認された。