経団連と大学側が、インターンシップ(就業体験)に参加した学生の評価などの情報を、企業が採用選考で活用できるようにすることで合意した。

 政府も、情報を利用できないとしてきた従来の方針を見直すという。現在の大学2年生にあたる2024年度卒の学生から適用することを目指している。

 インターンシップの活用で、企業側は人材確保の選択肢が広がり、学生にとっても自分の適性を見極められる利点がある。

 だが、その評価が選考により直結するようになり、就職活動の早期化や学生の囲い込みに拍車がかかることが懸念される。

 学生の負担が増し、学業の妨げとならないよう、適切なルール作りが必要だ。

 「インターンが実質的に早期選考の場になっている」との指摘は以前から多い。

 就職情報会社によると、来春卒の学生の約9割が、昨年秋までにインターンに参加していた。10年前の2倍以上だ。今月1日時点で内定を得た学生の約7割がインターン先だった。

 これまでも企業は学生の情報を採用活動の参考していたとみられ、今回の合意は実態を追認した形だ。

 情報の活用以外にも、インターンの実施期間を大学3年以降や大学院の長期休暇中とし、期間の半分超を実際の職場での就業体験とすることも盛り込まれた。

 インターンのために、早ければ2年生のうちから準備に追われ、学業をはじめアルバイト、ボランティア活動など学生生活に支障が出かねないと心配する学生や大学関係者もいる。

 企業側は、学生の授業やゼミなどに影響が出ないよう、日程や場所などを考慮する必要がある。都市部だけでなく、遠方の学生も幅広く参加できるよう工夫してもらいたい。

 学生が早い時期に就職先を絞り込まざるを得ず、入社後にミスマッチが生じる可能性もある。そうなれば企業にとってもマイナスになるだろう。

 学生の就職希望が大手や人気企業に偏り、インターンを実施する余裕のない中小企業にとっては、優秀な人材を確保するのがますます難しくなる可能性もある。

 会社の事業や働き方、学生の能力、適性を深く理解し合えるよう、インターンを含めた就職活動の在り方を、企業と大学で検討することが求められる。