草津市の新型コロナウイルスワクチンの集団接種会場。毎週土曜日を5~11歳の接種に当てている(滋賀県草津市)

草津市の新型コロナウイルスワクチンの集団接種会場。毎週土曜日を5~11歳の接種に当てている(滋賀県草津市)

 5~11歳の子どもへの新型コロナウイルスワクチン接種が進んでいない。滋賀県内で対象となる児童約9万5千人のうち、18日時点で1回目を接種したのは8345人(8・8%)、2回目は3801人(4・0%)にとどまる。12歳以上と異なり、接種の「努力義務」が課されないことや副反応への不安が要因とみられ、余剰ワクチンの扱いに困惑する自治体もある。

 子どもへの接種は、各市町が3月に始めた。草津市は市内の病院・診療所計7カ所での個別接種に加え、商業施設の会場で毎週土曜に集団接種を行い、今月18日時点の接種率は1回目が11・3%となっている。市は接種率の目標値を定めていないが、「当初の想定より正直、低い」(新型コロナウイルスワクチン対策室)と打ち明ける。

 9歳の長男と7歳の次男がいる同市の女性(38)は「ワクチン接種後に体調を崩して仕事を辞めた友人もおり、副反応が心配。万一、重い副反応が出た場合に国が素直に責任を認めるかも疑わしい」と、接種させない考えを示した。

 7歳の長女を育てる米原市の女性(39)は「周囲にコロナにかかって重症化した子はいない」とし、「何十年か先にどんなリスクが現れるかも分からない新開発のワクチンを打つ意味を感じない」と後年のリスクを不安視する。

 厚生労働省は、ワクチンのオミクロン株への予防効果が子どもに関しては明確化されていないとして、5~11歳については接種への協力を求める予防接種法の努力義務を適用していない。大津市はホームページで日本小児科学会のウェブサイトや製薬会社の資料を紹介しているが、担当者は「努力義務が課されないため、市から『打ってください』と発信することはできず、保護者の判断材料となる情報の提示にとどめている」とする。

 一方で、ワクチンは供給過剰になりつつある。各市町には6月上旬までに、対象の子ども全員が2回接種できる分量のワクチンが配分される見込みだが、近江八幡市の担当者は、このまま接種が進まなければ保管用冷凍庫に収まりきらない可能性を指摘する。「副反応や安全性に関する国の情報提供が余りに少ない」と批判し、「ワクチンを使い切れない場合に、有効期限を過ぎたら自治体の判断で廃棄してよいと明示してほしい」と訴える。

 院内での個別接種のほか、草津市の集団接種にも携わる医師(61)は、ワクチン接種には社会全体を感染症から守る集団免疫獲得の狙いもあるとし、「家の中や近所に妊婦や高齢者がいる場合、その人たちが感染し重症化するリスクを防ぐためにも接種してほしい」と訴える。