脇で支えた者たちに光
十大弟子・十六羅漢の奔走、人間味あふれ

国宝 十六羅漢像のうち2幅 第九戍博迦(じゅばか)尊者 平安時代(11世紀)東京国立博物館蔵 Image:TNM Image Archives

 仏教の開祖釈迦(しゃか)が亡くなった時、「涅槃(ねはん)図」で知られるように周囲は嘆き悲しんだ。だが、嘆くだけではなく、教えをどう守っていくかが弟子たちの課題だった。龍谷大龍谷ミュージアム(京都市下京区)で23日から始まる春季特別展「ブッダのお弟子さん―教えをつなぐ物語」は釈迦(ブッダ)の没後、教えを守ろうと奔走した人たちの姿をインドや中国、日本などに残る絵画や彫刻、経典ほか約90件の資料で見せる。

重要文化財 仏涅槃図 平安時代後期(12世紀) 岐阜・汾陽寺蔵 画像提供:奈良国立博物館

 2020年にコロナ禍で中止したものを一部変更。5章構成で、ブッダ在世時から活動を支えた十大弟子、ブッダが亡くなるときに仏法護持の役割を託された十六羅漢、そして、維摩(ゆいま)居士ら在家信者にも焦点を当てる。第5章「羅漢図より読み解く出家者の生活」は僧院の行事や生活で使う道具類などを通じ、出家者の日常に迫る。

仏伝浮彫「初転法輪」 ガンダーラ 2世紀 半蔵門ミュージアム蔵
重要文化財 五百羅漢図のうち第48幅浴室 林庭珪、周季常筆 南宋 1178~88(淳熙5~15)年 京都・大徳寺蔵 画像提供:奈良国立博物館

 仏教教団はブッダ没後の結集(けつじゅう)(経典編集会議)などを通じて形成された。十大弟子などの「主要キャラクター」が明確になり、彫刻や絵画作品にも個性が表れる。弟子たちは人間味にあふれ、失敗の逸話も多い。経典は「欲望をどう抑えるか」のような誰もが陥る問題を多様なパターンで解説する。信者は仏弟子や経典の逸話から自分に近い物語を読み取り、信仰実践のよりどころとした。

ハーリーティー(鬼子母神)像 ガンダーラ 2~3世紀
木造 釈迦如来坐像および阿難・迦葉立像 康俊作 南北朝時代 1347(貞和3)年 和歌山・海雲寺蔵 画像提供:和歌山県立博物館

 日本で描かれた現存最古の羅漢像である国宝「十六羅漢像」(東京国立博物館蔵)や重要文化財「木像 十大弟子立像」(京都国立博物館蔵)など名品も登場する。ブッダ没後、現在まで続く豊かな物語が見えてくるだろう。会期中、展示替えあり。

木造 十大弟子立像のうち伝舎利弗立像 鎌倉時代(14世紀) 神奈川・称名寺蔵 画像提供:神奈川県立金沢文庫
重要文化財 木造 十大弟子立像のうち舎利弗像 鎌倉時代(13世紀) 京都国立博物館蔵


【会期】4月23日(土)~6月19日(日)。月曜休館
【開館時間】午前10時~午後5時(入館は閉館30分前まで)
【会場】龍谷大龍谷ミュージアム(京都市下京区堀川通正面下ル、西本願寺前)
【入館料】一般1300(1100)円、高大生900(700円)、
     小中生500(400)円。かっこ内は20人以上の団体料金
【主催】龍谷大龍谷ミュージアム、朝日新聞社、京都新聞