京都市役所

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 京都市の門川大作市長は27日の市議会本会議で、市中心部などで急増している宿泊施設について、「まだ足りない」との従来方針を改め、「数としては満たされつつある」との認識を初めて示した。その上で、観光客の増加が市民生活に悪影響を与える「観光公害」に対応するため、庁内に設けたプロジェクトチーム(PT)で、課題解決や周辺部への誘客を強化する考えを明らかにした。

 市は観光公害対策として特定の名所に集中する観光客を分散させるなどの取り組みを進めているが、市民が実感できる効果は上げられていない。宿泊施設の充足を一定認めることで、市民生活の改善により軸足を置く姿勢をみせた形だ。

 市は2016年にまとめた「宿泊施設拡充・誘致方針」の中で、20年の訪日外国人客数が国目標の4千万人に達した場合、市内に必要な客室数を4万室と想定している。京都新聞は昨年11月に独自調査により、すでに客室は4万室を超え、20年には5万室を上回るとの試算を報じたが、門川市長は同12月の記者会見でも「宿をとりづらいとの声がまだ多い」と話し、誘致方針を堅持していた。

 市観光MICE推進室によると、今年3月末時点の客室数は約4万6千室で、計画中の施設を含めれば20年ごろには5万3千室を超える見通しという。

 この日の市議会で、門川市長は森田守市議(自民党)の代表質問に対し、宿泊施設数が充足しているとの認識を示す一方で、市中心部への偏在を指摘。山科区や左京区大原地域といった周辺部については「観光客の増加が求められている」と強調した。

 27日までに発足したPTは「市民生活と調和した持続可能な観光都市推進プロジェクトチーム」。リーダーの糟谷範子観光政策監ら市幹部11人で構成する。交通渋滞や民泊をめぐるトラブルといった地域ごとの課題やこれまでの施策を検証し、有識者や市民の声を聞きながら新たな施策を検討する。