調査地として選ばれた久美浜湾(京都府京丹後市久美浜町)

調査地として選ばれた久美浜湾(京都府京丹後市久美浜町)

京丹後市未来チャレンジ交流センターの壁に張ってある「やりたいことカード」を持つ羽間さん(同市峰山町・同センター)

京丹後市未来チャレンジ交流センターの壁に張ってある「やりたいことカード」を持つ羽間さん(同市峰山町・同センター)

 京都府京丹後市に住む高校生が、丹後の海中に眠る遺跡を探すプロジェクトに挑戦している。実現すれば、丹後初の水中遺跡調査となり、古代の交易品や沈没船といった遺物発見への期待がかかる。今春にはクラウドファンディング(CF)で資金を募り、「地元の海に沈んだ宝物を見つけたい」と意気込む。

 宮津高3年の羽間綾音さん(17)。昨年4月、40年前に書かれた「水中考古学入門」を高校の図書館で読み、世界各地に水中遺跡があることや、数千年前に沈没した船がきれいな状態で発見されることもあると知った。歴史に興味があり、丹後が大陸と盛んに交流していたことを知っていた羽間さんは「地元の海に沈んだ船や交易品があるのでは」と考え、調査に向けた資料集めを始めた。

 しかし、具体的な調査の仕方が分からず、行き詰まった。そこで、高校生のやりたいことを手助けする同市峰山町の市未来チャレンジ交流センターに相談。職員が交流サイト(SNS)で専門家を募り、日本に3人しかいない水中考古学の博士号を持つ佐々木ランディさんと連絡を取ることができた。

 佐々木さんらとオンラインで会議を20回以上重ね、水中ドローン事業の会社や海洋調査会社の協力も得て、今年3月にプロジェクトを立ち上げた。

 調査は今夏に1週間程度実施する。水中を音波で調べ、遺跡が見つかれば潜水や水中ドローンで探索する。

 調査地は、古代から日本海交易の中心地として栄えてきた久美浜湾にしぼった。湾近くの函石浜遺跡からは、2千年前の中国の通貨が見つかっており、自然災害や埋め立てなど開発の影響も受けていない。湾内は波が穏やかなため調査環境に適しているという。

 調査費用約300万円は、CFサイト「キャンプファイヤー」で募った。羽間さんは「日本では水中考古学の認知度は低く、海の中の遺跡が埋め立てや災害で消えている。水中にある遺跡に関心を持つ人が少しでも増えれば」と話している。