3月27日から2週間にわたって、ウェブ版の「一日一パン」で掲載した「世界のパン特集」。

 この特集を企画したのは、新型コロナウイルス感染症の影響で、海外旅行に行けなくなったことがきっかけである。

 海外どころか、一時は住んでいる町や家から出る機会が減ったという方も多いのではないだろうか。

 そういった経緯から、「一日一パン」の読者に、世界のパンを通じて、海外旅行の気分を味わっていただきたかったので、各国のパンを紹介しようと考えていた。

 しかし、この企画を進めていく間に、世の中の状況が変化し、私の中で、もう一つの目的を設定することになった。

 その出来事が、ロシアのウクライナ侵攻である。

 多くの尊い命が犠牲になる痛ましいニュースを見て、今の私には何ができるだろうかと考えさせられた。

 そこで、「世界のパン特集」を通して、パンで世界平和を発信できたらと考え、写真と文章で表現することに。

 2週間で計14カ国のパンを紹介した。

 特集の初日は、「Année(アネ)」(中京区)の「ジャイヲロノック」。

【3月27日】ジャイヲロノック 〈Année(アネ)〉

 

 愛らしい鳥の姿をしたパンは、ウクライナの春分の日を祝って食べられるという。日本語で春を告げる鳥「ヒバリ」を指すそうだ。

 「LIBERTÉ PÂTISSERIE BOULANGERIE(リベルテ・パティスリー・ブーランジェリー)京都店」(中京区)の「ブリオッシュ アテット」は、16世紀フランスのノルマンディー地方発祥のパン。

【3月31日】ブリオッシュ アテット 〈LIBERTÉ PÂTISSERIE BOULANGERIE(リベルテ・パティスリー・ブーランジェリー)京都店〉

 

 フランスでは、「頭のついたブリオッシュ」と呼ばれているらしい。「テット」はフランス語で、「頭」や「僧侶の頭」という意味で、見方によっては僧侶が座しているようにも見える。

「Bremen(ブレーメン)」(左京区)の「ポンデケージョ」は、ブラジルの朝食に食べられているパン。

【4月6日】ポンデケージョ〈Bremen(ブレーメン)〉

 

 ポンデケージョは、取り扱っている店舗が少なく、個人的には希少な印象がある。見た目は、シュークリームやサーターアンダギーのようでかわいらしい。

 他にも、日本、台湾、中近東、ベトナム、イギリス、イタリア、オーストリア、ドイツ、フィンランド、スウェーデン、デンマークのパンを特集で紹介した。

 当たり前のことだが、どのパンも形や大きさが違っていて、各国の歴史や文化が詰まっている。

 きっとパンには国境がなく、そこにあるのは、そのパンが現地の人々に愛され続けているという事実。

 世界のさまざまなパンを食べることで、その国の食文化や歴史に触れることができる。

 京都には、各国のパンを食べられる機会があり、日本にいながら、世界のパンを楽しめる。

 他の国々のパンをおいしく食べるような感覚で認め合い、尊重し合い、そこから平和への一歩を踏み出せるのではないだろうかと想像する。

 

 ※新型コロナウイルス感染拡大の影響で、営業時間やイートインなどが変更になることがあります。各店舗にご確認ください。

 ☆パンの消費量で全国的に上位の京都市内には数多くのパン屋が存在し、市民に愛される食べ物として定着しています。「一日一パン」は、京都市を中心に、京都や滋賀のパン屋をめぐり、毎日ひとつのパンを取り上げ、写真と記事で魅力を紹介する、「ライトプラン」以上の有料会員向け記事です。

 5月1日から5月7日までは、【ウェブ版特別企画】として、無料でお読みいただけます。