早いもので、2022年も間もなく半年が過ぎようとしている。昨年は、イタリアのローマ発祥のスイーツ「マリトッツォ」が全国的に注目されたが、今年は、どのようなパンが注目されるのだろうか。
2022年上半期の「一日一パン」の取材を振り返って、私が注目している2種類のパンを紹介したい。
まずは、台湾の屋台フード「胡椒餅(こしょうもち)」。
名前だけ読むと「え、お餅ですか?」と尋ねる人もいるようだが、基本的には、豚肉とネギをコショウや香辛料などで味付けしたフィリング(具材)を生地で包み込み、その生地の上にゴマをたっぷりとつけて焼き上げたもの。
本場の台湾では、窯の壁面に生地をくっつけて焼き上げるそうだ。
【1月14日】こしょうもち(フーチャオピン) 〈マン シエール〉
手ごねでつくったパン生地には、米油が入っている。その生地で、石橋屋(左京区)で仕入れた豚肉と九条ネギをコショウ、五香粉、塩などで味付けしたフィリング(具材)を包んで焼き上げる。
※五香粉…主に中国料理、他にもベトナム、インドシナ地域でも使われる混合スパイス
国産小麦を3種類ブレンドした生地を、一晩かけてゆっくり発酵させる。生地の中には、国産の豚肩ロースを高知産のショウガと調味料で味付けしたものと、京都産の九条ネギがたっぷりと入っている。
パン生地で、豚ミンチ、タマネギ、青ネギを包み込む。野菜については、大きめにカットすることで、食感を楽しめるようにしている。「屋台フードなので、上品にというより、思い切って食べて欲しいです」と店長の和田健太さん。
どの胡椒餅もレンジで温めると、小籠包(しょうろんぽう)を食べる時のように、肉汁と野菜の水分がじゅわっと出てくる。それと同時に、表面についたゴマのぷちぷちとした食感と風味がアクセントになっている。ゴールデンウイークに、中国の酒やクラフトビールなどと合わせてみてはいかがだろうか。
※新型コロナウイルス感染拡大の影響で、営業時間やイートインなどが変更になることがあります。各店舗にご確認ください。
☆パンの消費量で全国的に上位の京都市内には数多くのパン屋が存在し、市民に愛される食べ物として定着しています。「一日一パン」は、京都市を中心に、京都や滋賀のパン屋をめぐり、毎日ひとつのパンを取り上げ、写真と記事で魅力を紹介する、「ライトプラン」以上の有料会員向け記事です。
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