イタリアから夫と共に出身地の亀岡市に戻り、ゲストハウスを開いた川本さん(右)。夫と2人の子どもと楽しく暮らす=京都府亀岡市千歳町

イタリアから夫と共に出身地の亀岡市に戻り、ゲストハウスを開いた川本さん(右)。夫と2人の子どもと楽しく暮らす=京都府亀岡市千歳町

 イタリアから京都府亀岡市にUターンした女性が今年4月、外国人中心の宿泊施設を開業した。子育てを機にイタリア人の夫とともに古里へ移住。語学力を生かして丹波の魅力を伝えている。「海外に出て亀岡の素晴らしさに気付いた」と豊かな自然の中で、子育てと観光業に励んでいる。

 下矢田町出身の川本鼓さん(37)。南丹高、大阪外国語大(現大阪大)卒業後、イタリアへ渡り、フィレンツェ市の洋服店に就職。8年前、ハイヤー運転手のクリスチャン・カンビさん(44)と結婚し、長男(5)、長女(3)を出産した。

 子どものころから憧れだったイタリア生活も、子育てを始めると教育環境や治安に不安が募るようになった。「自分のように自然に恵まれた亀岡で育ってほしい」と思い、夫も賛成した。

 問題は帰国後の生活。海外経験を生かせる仕事を探した。亀岡市内で民泊を営む親戚がいたこともあり、宿泊業に目を付けた。2年前の秋、千歳町で空き家になっていた古民家を買い取り、約10年ぶりに古里で住み始めた。1年間かけて改修し、自宅兼宿泊施設「BISHAMON HOUSE(毘沙門ハウス)」を開業した。

 古民家には昔ながらのいろりが残り、宿泊部屋は洋風に改装してベッドを置いた。和洋折衷のデザインが好評で、米国やオランダなど世界各国から客が訪れるようになった。「七谷川のサクラなど丹波の自然の中を歩く客も多い。京都市内の混雑に疲れ、のんびりした亀岡の雰囲気を楽しんでいる」と語る。

 夫は「住民は優しくて面白い。全てが刺激的だ。もっと日本語を覚えたい」と満足しており、川本さんは「家族で過ごす時間も長くなり、地域の方にも支えてもらっている。外国人にとって魅力的な亀岡を世界に知ってほしい」と意気込む。