オンラインで取材に応じる女児の父親(5日午後)

オンラインで取材に応じる女児の父親(5日午後)

事故で左脚などに大けがを負った女児。今も当時の話をすることがあるという=父親提供(写真の一部を加工しています)

事故で左脚などに大けがを負った女児。今も当時の話をすることがあるという=父親提供(写真の一部を加工しています)

 大津市で園児ら16人が死傷した事故から8日で3年を迎えるのを前に、重傷を負った女児(6)の父親(34)が報道陣の取材にオンラインで応じた。京都府亀岡市の集団登校事故の遺族とのやりとりをきっかけに取材に応じることを決意したといい、「全国で子どもを巻き込む事故が後を絶たない。(園児事故を)1人でも多くの人に知っておいてほしい」と訴えた。

 「事故から3年たつのかと思うと早いような、でもあまり時間が流れていないような気もする」。当時3歳だった女児は、左脚や骨盤を折るなどして約2カ月半の入院を余儀なくされた。搬送直後は「痛い、痛い」と泣き叫び、骨を固定する治療のために抱き上げてやることもできない日々だった。

 女児は今でも突然「車が来てけがしちゃった」と言い出したり、長く歩いた後にけがをした左脚を痛がったりすることも。現在も年1回通院しており、目立った後遺症はないものの、医師からは今後10年ほどは経過観察が必要と言われたという。

 全国では子どもが絡む交通事故が絶えない。「仕事で運転していると、ドライバーの信号無視やスピード違反をよく見る。いつ(園児事故と)同じ事故が起きてもおかしくない。子どもは危険への意識が薄く、大人が事故を未然に防ぐべきだ」と強調した。

 今回取材を受けた経緯については、亀岡市の集団登校事故の遺族との交流を挙げた。「言いたいことがあるなら、メディアを通して言いなさい」と背を押されたとし、「自分たちが一番つらいのに、正面から戦う姿に勇気をもらった」。

 大津市は事故後、保育園などが近くにあることをドライバーに知らせる「キッズゾーン」の路面表示や防護柵を設置するなど、安全対策工事を進め、今年4月には「交通安全条例」も施行した。「行政の動きはありがたい。でも市内に危険箇所はまだあるのでは」と不安視し、「事故現場を見ても何も思わない人が増えるのは苦しい。ドライバー一人一人が安全への意識を持ってほしい」と呼びかけた。