iPS細胞(人工多能性幹細胞)などを培養するノウハウを研究者間で共有しやすい実験機器システムを作ろうと、京都の企業など8社が「COTO LABO コンソーシアム」(事務局・京都市上京区)を31日に発足させる。細胞を扱う実験では器具の細かな使い方などで結果が異なりがちだが、このシステムを使えばノウハウを明確に示すことができるという。2020年以降にシステムを販売する。

 コンソーシアムには島津製作所や片岡製作所(南区)などが加わる。事務局を務めるiPSポータルによると、iPS細胞を使った医療が現実味を帯びる一方、大学の実験室で挙がった成果を企業などが再現しようとしてもうまくいかない場合があるという。同社は「器具の振り方など細かなノウハウが共有できないことに原因がある」と説明する。

 こうした課題を解決しようと、実験機器やモニタリング技術、分析手法に関わる企業が集まり、さまざまな機器を使った実験過程をトータルで解析する。実験室の温度や湿度から器具の振り方まで、詳細なノウハウを数値化して共有できる形にすることで、特定の技術者以外でも実験を再現できるようにする。

 モデルラボは京都市内に設置予定。将来的には、今後の生命科学の進展が見込まれる東南アジアなど海外へのシステムの販売も検討している。iPSポータルの村山昇作社長は「生命科学の実験を完全に機械化することは難しく、依然として研究者の技術が重要。研究者の技術を底上げできる実験システムを提供したい」と話している。