日米欧の先進7カ国(G7)首脳はウクライナ情勢を巡りオンライン会合を開き、ロシア産石油の輸入禁止に取り組むと表明した。

 ロシアが9日の対ドイツ戦勝記念日に向け攻勢を激化させた中、制裁強化へ一致した姿勢を示してけん制した形だ。

 侵攻から2カ月半になるが、戦闘は長期化するとの見方が強まっている。

 戦勝記念日の演説でプーチン大統領は「ウクライナへの軍事作戦は唯一の正しい決定だった」と述べ、継続姿勢を強調した。

 東部2州で激しい攻防が続き、ルガンスク州では約90人が避難する学校が空爆された。ウクライナのゼレンスキー大統領は民間人ら約60人が死亡したと述べた。

 人道危機は深刻さを増しており、停戦実現に向けた国際社会の結束した対応が求められる。

 日米欧はロシアへの経済制裁を段階的に強化してきた。金融制裁から主力産業であるエネルギー分野へと踏み込んでいる。

 国際エネルギー機関(IEA)によると、ロシアの原油生産量は米国に次ぐ規模で、サウジアラビアと並ぶ。2021年の国家予算のうち45%程度を石油や天然ガスの輸出で稼ぎ、重要な外貨獲得手段となっている。

 禁輸が広がれば大きな経済的打撃となる。だが、ロシアへのエネルギー依存度の高い国もあり、代替調達先の確保に時間がかかるほか、原油相場が一段と上昇すればインフレを助長しかねない。

 G7首脳は声明で、禁輸措置には段階的な廃止も含まれ、世界各国が別の供給元を見つける時間を確保しながら秩序立って実施すると説明した。

 原油の輸入の3・6%をロシアに頼り、禁輸には難色を示してきた日本も足並みをそろえた。依存度を下げる道筋を探らなくてはならない。

 岸田文雄首相は「大変厳しい決断だが、G7の結束が何よりも重要なときだ」と訴えた。

 これまでの制裁にもプーチン政権は強硬姿勢を崩しておらず、実効性を高められるかが問われる。「抜け穴」ともされる親ロシア国への働きかけも欠かせない。

 共同通信の世論調査で、日本経済や暮らしに影響が広がっても制裁を「続けるべき」との回答は7割を超えた。とはいえ急速な「脱ロシア」に伴う調達不足などが警戒される。

 国民生活や事業活動への影響を最小限に抑えつつ、国民に理解を求める必要がある。