後を絶たない高齢ドライバーの事故を抑えるため、新たな運転免許制度が13日から導入される。

 一定の違反歴がある75歳以上を対象とした運転技能検査(実車試験)と、先端技術を搭載した安全運転サポート車(サポカー)の限定免許だ。新制度の実効性を高め、悲惨な事故を減らしたい。

 実車試験は免許更新時、過去3年間に信号無視や逆走など11種類のうち一つでも違反をした人に義務付ける。自動車教習所などで実際に車を運転して技能を確かめ、不合格なら更新できない。

 免許有効期限の6カ月前から繰り返し受検可能ではあるが、一歩踏み込んだ対策と言える。免許失効に反発もあろうが、人命に関わるだけにやむを得まい。

 誰もが加齢に伴う危険の見落としや反応の遅れを避けられない。長年の勘や経験で自己流運転にもなりがちだ。

 実際に車を運転し、操作技能をきちんと評価されれば、自分の運転がいかに危険かを自覚できるのではないか。

 何より検査時の公平性が重要となる。ミスごとに減点する方式だが、一時停止や右左折などチェックポイントを明確にし、採点に差が出ないよう求めたい。

 もう一つの柱であるサポカー限定免許は、ペダルを踏み間違えた時に急加速を防ぐ装置など安全運転を支援する機能を備えた車だけを運転できる。本人申請により交付されるが、普通免許でも運転できるため、限定免許への切り替えが進むかどうかは未知数だ。

 ただ高齢者が運転に不安を抱いても運転継続か、免許返納か、という二者択一だったが、もう一つ選択肢が増えることになる。

 限定免許で運転できる車種は限られ、買い替えが必要な場合もある。サポカーへの乗り替えを促す補助金制度の復活や車種の充実など普及策が欠かせない。

 警察庁は免許の自主返納や認知機能検査の強化といった取り組みを進めてきた。しかし、75歳以上のドライバーに起因する死亡事故は昨年、前年比13件増の346件に上った。

 団塊世代が徐々に75歳以上となり、事故増加が危ぶまれる。手をこまねいてはいられない。

 最も効果が期待されるのは免許返納とはいえ、車が買い物や通院などに欠かせない地域は少なくない。一方的に高齢ドライバーを排除するのでなく、高齢化を踏まえ車を手放しても困らない環境整備も不可欠である。