肌に優しい子ども服の生地で丁寧に作られた帽子

肌に優しい子ども服の生地で丁寧に作られた帽子

がん治療による脱毛に悩む人々を支援する帽子を作った聖泉大看護学部の学生たち(彦根市・市立病院)

がん治療による脱毛に悩む人々を支援する帽子を作った聖泉大看護学部の学生たち(彦根市・市立病院)

 乳がんの治療による副作用の脱毛に悩む女性たちに利用してもらおうと、聖泉大(滋賀県彦根市)の看護学部の2~4年生が、外出時などにかぶる帽子づくりに取り組んだ。完成した帽子12個を市立病院に寄贈し、通院治療を続ける患者が活用している。


 看護師や保健師を目指す学生7人は昨秋から、健康推進を掲げるびわ湖東北部地域連携協議会のプロジェクトの中で制作を開始。乳がんを患った当事者らの「ピンクリボンひこね」のメンバーから、容姿が変貌するつらい心境などを聞き取ったほか、買い物時や宅配便の受け取りの際など、生活面でさまざまな苦労があることを学んだ。


 帽子は肌に優しい子ども服の生地を選び、ミシンや手縫いでリメーク。子どもとの会話が弾むよう動物の柄を使ったり、頭皮に当たって不快にならないようボタンなどの位置を気遣ったりしながら試着を重ねた。帽子を身に着けて一歩外に羽ばたいてほしいとの願いを込め、「people can fly」とのメッセージも添えた。


 同学部の学生(22)らは「女性たちの生活を想像しながら、普段使いをしやすいよう工夫した。外出時は服装に合わせておしゃれに着こなしてほしい」と話し、指導した安孫子尚子教授(公衆衛生看護学)は「卒業後、専門職に就いてからも、相手の生活や人生の質を高めることにつながる視野を持ち続けてほしい」と語った。


 学生たちは4月下旬、彦根市立病院に仕上げた帽子を手渡した。寄贈を受けた同院がん相談支援センターの木下千恵美看護科長は「患者さんがつらい経験を乗り越える支援になり、大変ありがたい。受け取った女性も明るい笑顔になり、とても喜んでいる」と話している。