サクラやモモなどの木を枯らす「クビアカツヤカミキリ」の成虫(森林総合研究所関西支所提供)

サクラやモモなどの木を枯らす「クビアカツヤカミキリ」の成虫(森林総合研究所関西支所提供)

クビアカツヤカミキリの幼虫がいる木に見られる「フラス」。木くずとふんが混ざった物で「うどん状」「ひき肉状」とも表現される(森林総合研究所関西支所提供)

クビアカツヤカミキリの幼虫がいる木に見られる「フラス」。木くずとふんが混ざった物で「うどん状」「ひき肉状」とも表現される(森林総合研究所関西支所提供)

 サクラなどを枯らし、花見文化を脅かすと懸念される外来昆虫「クビアカツヤカミキリ」が生息域を広げている。京都府内ではまだ被害は確認されていないが、関西では大阪府南部を中心に近隣県へ拡大しており徐々に迫りつつある。繁殖力が強く、桜の名所が多い京都に侵入すれば観光にも打撃を与えかねないとの指摘もあり、研究者や京都府が警戒を呼びかけている。

 クビアカツヤカミキリは中国や朝鮮半島が原産地。体は黒く、首に見える胸部だけ赤いのが特徴。成虫は体長2~4センチで、サクラやモモ、ウメといったバラ科の木に卵を産む。一度に卵を千個産む例もあり、幼虫に内部を食い荒らされた木は枯れる。2018年に飼育や運搬が禁止される特定外来生物に指定された。

 環境省などによると、12年に愛知県で初確認されて以降、埼玉県や群馬県など関東と関西の12都府県で被害が出ている。関西では15年に大阪府大阪狭山市で初確認され、現在は同府南部を中心に和歌山県や奈良県にも拡大しつつある。街路樹や果樹園で被害がみられ、市街地に多いサクラの被害が増えれば、枝の落下による事故や景観の悪化が懸念される。

 クビアカツヤカミキリを研究する森林総合研究所関西支所(京都市伏見区)の浦野忠久・生物被害研究グループ長は、被害木の回りには木くずと幼虫のふんが混ざった「フラス」が大量に見つかると指摘。拡大防止には早期の発見が欠かせないとし「有名なサクラが多い京都で拡大すれば、観光面でも大きな損害を与えるかもしれない。フラスを見かけたら自治体や森林総研に連絡してほしい」と呼びかけている。