桂川に隣接する府立京都スタジアム(京都府亀岡市保津町より望む)

桂川に隣接する府立京都スタジアム(京都府亀岡市保津町より望む)

     府立京都スタジアム(京都府亀岡市)が立地する桂川沿いの土地区画整理事業を巡る住民訴訟で、京都地裁は19日、水害の危険性拡大を認めなかった。原告住民は2013年9月の台風18号で一帯が大規模浸水したことを理由に事業を認めた市を訴えたが、地裁は「台風は極めて異例」と退けた。住民側は控訴を検討する。

 事業区域は、豪雨時に水が流れる遊水地だった場所にある。住民側は遊水機能が失われ、洪水水位が4・2センチ上昇するという独自分析を示し、水害が広がると主張していた。
 判決は、市の「治水安全度は向上している」との主張を全面的に支持。「原告の分析は事業の影響としてみることはできず、現実に発生する恐れは高くない」とし、台風18号の浸水も、日吉ダムや河川治水対策により「1メートル以上の水位低下効果が確認された」と、住民の訴えを全て退けた。事業を進める組合の理事長(69)は「スタジアムも完成間近で、ほっとしている」と話した。
 府内ではここ7年間で、50年に1度以上の大雨による特別警報が2回出たが、判決では台風18号の浸水被害を「発生確率が100分の1(100年に1度)に相当する極めて異例なもの」と断じた。原告の1人の女性(57)は「全国で頻繁に河川氾濫が起こっているのに、異例だという裁判官の考えは全く理解できない」と憤った。
 スタジアムを巡っては公金支出の妥当性を争う住民訴訟も提起されている。一審は住民敗訴の判決が出され、現在、大阪高裁で係争中。