彦根城での早朝ラジオ体操を巡り、参加者代表の男性(右)らと面談する和田市長(左端)=彦根市役所

彦根城での早朝ラジオ体操を巡り、参加者代表の男性(右)らと面談する和田市長(左端)=彦根市役所

 彦根城(滋賀県彦根市)の国宝・天守前で、市民らが約40年間、開場時間(午前8時半~午後5時)の前に行っている早朝ラジオ体操を巡り、和田裕行市長は16日、参加者側と初めて面談し、17日朝から時間外の入場を禁止する方針を伝えた。住民側は方針に従い、別の場所で活動を継続する意向を示した。

 市によると、天守に続く入り口は3カ所あるが、これまで時間外は施錠をしていなかった。16日の閉場後に施錠し、当面、早朝から開場までの間は警備員を配置する。時間外入場を禁止する掲示も行うという。

 和田市長はこの日、参加者らでつくる「天守で健康づくりをする会」(仮称)の代表の男性(80)ら2人と面談。ラジオ体操が市民の健康維持に寄与していたことは「十分に理解する」とした。

 一方、3年前の首里城(那覇市)での火災などを挙げ、城が2024年の世界遺産登録を目指す候補でもあるとし、「例外的に(時間外の入場を)認めると多くの人が来て、防災や防犯上の責任を取りきれない。40年間(時間外入場を)黙認していた市の管理体制の甘さは認めるが、17日以降はしっかり管理する」と述べ、場所を変えるか開場時間内に活動するよう伝えた。

 市の方針を受け、村川さんらは「楽しみの一つが減ってしまい、残念」としながらも、「市と無理に争うつもりもなく、市長の判断に従う」とした。17日からは城の内堀沿いにある入場制限のない二の丸駐車場で体操を続けるという。さらに今後、市民の健康増進に向けた施策を充実させるよう注文もつけた。

 天守前でのラジオ体操は、昨年は延べ約6800人が参加したが、今年3月に市が場所変更を要請。参加者らは4月に約140人分の署名を添え、市に継続できるよう陳情書を提出していた。