先月、大規模な軍事パレードを行ったことなどが、引き起こした可能性がありそうだ。

 北朝鮮で、新型コロナウイルスの爆発的な感染拡大が、止まらないという。

 朝鮮労働党は15日、この非常事態について協議する会合を開いた。

 先月末からの2週間余りで、累計の発熱患者が総人口の5%近い120万人を超え、死者は50人になったとしている。北朝鮮メディアが報じた。

 金正恩党総書記は、住民に十分な医薬品が供給されていないとして内閣を非難し、首都平壌に朝鮮人民軍の医療部門を動員する命令を出した。

 中国の「ゼロコロナ」政策を踏襲する姿勢も示す。

 韓国メディアは、北朝鮮が医療物資などの供給を、中国に要請したと伝えた。

 防疫当局は、亡くなった患者の死因は、基礎疾患や薬物の誤用だと訴えて、不安を抑え込もうとしている。

 しかし、こうした取り組みだけで、コロナ禍を収束させるのは難しいだろう。

 これまで北朝鮮は対外的に、国内に感染者はいない、と主張してきた。国際機関などがワクチンの提供を打診しても、断っていたとされる。

 このため、国民へのワクチン接種はほとんど行われておらず、感染の有無を調べる検査キットや治療薬が、不足しているとみられている。

 世界保健機関(WHO)は週明け、北朝鮮の感染拡大について懸念を表明し、ワクチンを提供する国際的な枠組み「COVAX(コバックス)」による支援の実現を求めた。

 こうした状況を、金党総書記ら指導者は、正しく認識する必要があろう。

 就任したばかりの尹錫悦(ユンソンニョル)韓国大統領は、国会での施政方針演説で「北朝鮮住民への支援を惜しんではならない」と強調し、ワクチンや医薬品、医療器具を提供するとともに、医療関係者を派遣する用意があるとした。

 この方針に対して、米政府の北朝鮮担当特別代表は、支持する意向を明らかにしている。

 北朝鮮は国際社会からの孤立を続けるのではなく、住民の命と健康を守るため、これらの申し出を受け入れてもらいたい。

 また、その際には、相次ぐミサイル発射や核実験の準備を、きっぱりとやめるべきだ。