宇治茶の主産地で進む収穫作業(京都府和束町白栖)

宇治茶の主産地で進む収穫作業(京都府和束町白栖)

京都府和束町

京都府和束町

 京都府・山城地域の特産品の宇治茶が、収穫の最盛期を迎えている。今年は3年ぶりに霜害が見られず、昨年と比べて出荷量は大幅に回復する見込みだ。半面、例年より成長が早いため、収穫の遅れも指摘される。玉露やてん茶の出荷ピークを前に、市場関係者は「刈り遅れは、品質と価格の低下につながる」と注意を呼びかけている。

 京都府内の荒茶生産量は、2019年が2700トン台だったのに対して、山城地域で大規模な霜害があった20年と21年はともに2200トン台と大きく落ち込んだ。今年は霜害がなく、例年並みには回復する見通しとなっている。

 和束町白栖の煎茶専門農家の松田義彦さん(69)は「昨年は7割近く収穫が減ったから、今年は質も良くてほっとした」と笑顔を見せる。一方で「今年は、質の良いものは良い値段だけど、そうじゃないものは下がっているようだ」と市場への不安も口にした。

 今年は4月に温暖な日が多く、例年よりも成長が早いという。茶農家でつくる団体の役員を務める上嶋伯協さん(66)は「霜害があった2年間でペースがずれたのか、暖かい今年は刈り遅れている農家が結構ある。成長が早いから、遅れると質への影響も大きい」と指摘する。

 JA全農京都茶業市場課の担当者は「農家さんの動きが早く、質の良いものを出してもらっている。ただ、質による価格差が広がっている印象があり、刈り遅れると厳しい」と話す。抹茶の原料として出荷量が多いてん茶と、高級茶として知られる玉露は、5月下旬が出荷のピークだ。担当者は「市場では、刈り遅れの影響はあまり感じないが、今年は全体で1週間くらい早いので気を付けてほしい」と語った。