パーティションで区切られた机で勉強する利用者(京都市下京区・きみとまろの自習室)

パーティションで区切られた机で勉強する利用者(京都市下京区・きみとまろの自習室)

開放的なラウンジエリアで勉強や作業に励む利用者(京都市下京区・ステディスタディ京都)

開放的なラウンジエリアで勉強や作業に励む利用者(京都市下京区・ステディスタディ京都)

 お金を払って勉強場所を確保する有料自習室が、京都市内で増えている。インターネット環境やロッカーを備え、無料で飲み物を提供するなど充実したサービスが売りで、資格取得などを目指す社会人を中心に「快適な空間で勉強に打ち込みたい」という人たちの心をつかんでいるようだ。

 会員制自習室「きみとまろの自習室」(下京区)は、自身も税理士の資格取得に向けて勉強している柿木英治代表(44)が、利用者目線で勉強に集中できる場を提供したいと昨年3月に開設した。

 室内にはパーティションで区切られた机が並び、参考書やノートを広げた利用者が黙々と勉強している。

 資格取得のために利用している事務職の女性(34)=同区=は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で専門学校の自習室が利用できなくなったことをきっかけに通い始めた。職場からも近く、「仕事終わりの時間を有効に使える」と話す。

 休憩スペースは飲食可能で、無料の飲み物も置かれている。Wi―Fiが利用できるため、オンライン授業を受けながら勉強することもできる。防犯対策として専用のカードキーで入退室し、重い参考書などの荷物を持ち帰らなくて済むようロッカー(有料)も備える。開室時間は午後10時までで、夜遅くまで利用できるメリットもある。

 民間自習室の人気は、公共施設の利用ルールも関係しているとみられる。

 京都市立の図書館は館内での自習を禁止している。一部施設で開放されている自習室もコロナ禍で席数や利用時間を制限しており、特に昼間は働いている社会人にとって、自習場所の確保は難しいようだ。

 有料自習室の情報サイト「自習室.com」を運営する「ツクモネットワーク」(大阪市)によると、2019年1月時点で13店舗だった京都エリアの掲載数は、22年3月現在で26店舗と2倍に増加した。

 同社によると、自習室利用者の約7割が20~30代の社会人で、資格取得や昇進試験のために勉強している人が多いという。立地は交通アクセスの良い主要駅周辺部が中心。利用料金は月額1万5千円前後で一定の出費となるが、「ジムに行くのと同じで、まとまったお金を払っていると勉強する気になる」(女性)

 2017年にオープンした「ステディスタディ京都」(下京区)は、仕切られた個別ブースだけでなく、ソファ席などのある「ラウンジエリア」も設ける。音楽が流れる開放的な雰囲気で、気分に合わせて勉強場所を選ぶことができる。

 北区で茶道や華道の体験教室などを開く「暗香庵」では、空き時間を自習室「スタディウィズ」として貸し出している。主に外国人観光客向けの体験教室を開いていたが、コロナ感染拡大の影響で教室を開けなくなったため、ギャラリーを有効活用しようと1月に自習室を始めた。

 ツクモネットワークによると、自習室は、バブル経済の崩壊でテナント料が下落した1990年代から増えてきた。最近の急増についてはコロナの影響を挙げ、「感染予防のために不特定多数が集まる場所を避けたいという利用者ニーズの高まりや、テレワークの普及などが関係しているのではないか」と分析している。