問題の核心に触れるのを避けた判決だ。

 学校法人「森友学園」への国有地売却価格を国が当初、非開示とした対応は違法とする判決を、大阪地裁が出した。

 2016年に財務省近畿財務局に価格の開示を請求し、森友問題の端緒を開いた地元の大阪府豊中市議が、国を相手に損害賠償請求訴訟を起こしていた。

 判決は、国有財産の処分結果は財務省のホームページなどで公表され、13年度から16年度までに売却された国有地104件のうち、契約金額が非公表だったのは森友学園の案件以外にないことを指摘した。

 その上で、「職務を尽くせば、情報公開法上の非開示情報には当たらないと容易に判断できた」とした。

 通常の業務をすれば、価格を開示する判断は当然できたはず、という、極めて当然の判断だ。

 その一方で、売却土地にごみが埋まっていることなどを非開示にした対応には「一定の合理性がある」としたのは、理解に苦しむ。

 ごみがあると知られれば、森友学園の小学校に通わせようとする保護者が減り、学園の利益を損なう可能性があった。だから非開示は違法ではない-。

 判決はこう指摘するが、それが国の財産を8億円も値引きしたことを説明しなくていい理由になるとは、到底思えない。

 国が学園と結託して保護者には重要情報を隠してもいい、といわんばかりだ。

 仮にこの判決が確定すれば、国有財産を処分する際に価格以外の契約事項を隠してもいい、ということになりかねない。

 森友学園が開校を予定していた小学校の名誉校長には安倍晋三首相の妻が就いていた。

 森友問題の核心は、異例の値引きの背景に、安倍首相や政権との関わりがあったのではないか、ということだ。

 判決は、値引き理由の非開示を適法として、最も肝心な部分に踏み込むことを巧みに避けた。原告は「安倍政権への忖度(そんたく)判決」と批判している。

 国は情報公開に後ろ向きのままだ。値下げ発覚から2年超が経過しても十分な説明をしていない。

 最近になって、8億円の値引きの根拠となった地中のごみ調査そのものの信頼性が疑わしい事実も浮かび上がっている。

 国会は徹底審議を求め、しっかり追及してほしい。