公開された松尾芭蕉の直筆紀行文「野ざらし紀行図巻」(24日午前、京都市右京区・嵯峨嵐山文華館)

公開された松尾芭蕉の直筆紀行文「野ざらし紀行図巻」(24日午前、京都市右京区・嵯峨嵐山文華館)

再発見された松尾芭蕉自筆の「野ざらし紀行」の冒頭部分=福田美術館提供

再発見された松尾芭蕉自筆の「野ざらし紀行」の冒頭部分=福田美術館提供

松尾芭蕉「野ざらし紀行」の末尾部分=福田美術館提供

松尾芭蕉「野ざらし紀行」の末尾部分=福田美術館提供

 江戸時代の俳人松尾芭蕉(1644~94年)の紀行文「野ざらし紀行」の直筆本が再発見されたと、福田美術館(京都市右京区)が24日発表した。全体にわたって挿絵も描かれ、調査に当たった藤田真一・関西大名誉教授は「芭蕉自筆とみられる挿絵付きの紀行文は、ほかに確認されていない。芭蕉を研究する上で貴重な資料」としている。

 再発見された自筆本は長さ約14・5メートル、幅23・1センチ。文章とともに21の場面を描いた絵が添えられている。「野ざらし紀行」は、芭蕉が40代の頃に江戸を出発して京や近江などを巡った旅の日々を記したもの。芭蕉初めての紀行文として知られる。芭蕉自筆の「野ざらし紀行」はほかに、天理本と呼ばれるものがあるが挿絵はない。

 昨年11月に大阪市内の美術商から今回の「野ざらし紀行」の存在を知らせる連絡を受け、確認した同館が購入した。今回の自筆本については、過去に研究者が1978年に美術館で接したという文章を残しているが、それ以降の行方は不明だった。

 芭蕉は伊賀上野に生まれ、京都で北村季吟に師事した後、江戸へ出た。俳諧に高い文芸性を加えた蕉風俳諧を創始し、「奥の細道」などを著した。