外食する際は事前にファミリーレストランなどが公開するアレルギー対応状況を確認する今川さん(京都市中京区・FaSoLabo)

外食する際は事前にファミリーレストランなどが公開するアレルギー対応状況を確認する今川さん(京都市中京区・FaSoLabo)

 「電話で予約する際、アレルギーがあると伝えたら断られた」「店員さんに確認したのに、出てきた料理に卵が使われていて驚いた」。取材を通して、食物アレルギーを持つ人たちが外食する際に抱える不安や不便を痛感した。

 食物アレルギーは、特定の原因物質を摂取することにより、じんましんや嘔吐(おうと)、呼吸困難などの症状を発症し、アナフィラキシーショックで命を落とすこともある。原因食材は卵や小麦、乳製品のほか、そばや甲殻類、果物、ナッツなど多岐にわたる。

 学校給食では自治体などが策定する指針に沿って対策が進められており、食品表示法は、容器包装された加工食品についてアレルギー表示を義務づける。一方、外食については表示義務はなく、消費者庁が2014年にまとめた中間報告書は▽店の規模や業態が多様▽メニューや仕入れ先の変更が多い―など「外食産業の特性上、全ての事業者が対応可能な形で正確な表示を担保するのは困難」とし、各事業者に委ねている。近年、ファミリーレストランなどでは、使用するアレルギー物質一覧や調理環境をホームページで公開するなど、自主的な取り組みが進められている。

 食物アレルギー支援を行う京都市中京区の認定NPO法人「FaSoLabo(ふぁそらぼ)京都」ボランティアの今川麻紀さん(34)=長岡京市=も6歳の長男に重度の卵アレルギーがあり、外食には事前のチェックが欠かせない。注文の際も食材を入念に確認し、不安な場合は店員にたずねる。ただ、対応は店の状況や店員の知識に左右されることも多く「曖昧な返事をされたり、ちゃんと確認してもらえなかったりすると食べさせていいのか不安になる。少量でも命に関わる人がいることを分かってもらえたら」と願う。また「店員さんが忙しそうな時は聞きづらいので、混み合う時間を避けて行くようにしている」と苦労を語る。

 NPO法人アレルギーっこパパの会(東京都)が食物アレルギーの子を持つ家庭を対象にした調査では、98%が外食を利用しており、そのうち58%が症状を発症し、19%が重篤な事態に陥ったことがあるという。同会の今村慎太郎理事長(39)は、表示の義務化は難しいとした上で「問題の根本にあるのは『食物アレルギーがある』と言い出しにくい雰囲気」と指摘。合わせて「食物アレルギーに対応する企業が、社会から評価される仕組みが必要」と訴える。

 食物アレルギーを持つ人も、遠慮したり疎外感を味わったりすることなく、家族や友人と「気軽に」「安心して」外食を楽しめる場所が保障されなければならない。そのためには、正確な情報提供や制度とともに、私たち一人一人が食物アレルギーについて知り、理解することが必要だろう。