京都府庁(京都市)

京都府庁(京都市)

 京都府は、東日本大震災後のみなし応急仮設住宅として避難者向けに提供していた国家公務員宿舎桃山東合同宿舎(京都市伏見区)を不当に占拠しているとして、2011年7月から同宿舎に住む女性を提訴する方針を決めた。府は「女性は避難者ではなく、虚偽の申請で入居していた」としており、12日開会の6月定例府議会に提訴の議案を提案する。

 府原子力防災課によると、女性はもともと京都市内在住で「福島県内の弟夫婦が避難してくる」との理由で同宿舎への入居を申請した。府は「想定外だが、空き部屋がある限りは提供すべき」と許可したものの、弟夫婦が避難してきたかは確認しなかった。

 17年、府が宿舎の退去期限を19年3月末と定めたことを個別に説明に回る中で、弟夫婦が避難した実態がないことが判明。17年末での退去を求めたが応じず、19年2月を最後に接触できていないという。同課は「3月末で避難者は全員退去したが、女性は不当に居住を続けており、明け渡しと損害賠償を求め提訴する方針を決めた」としている。

 同宿舎は今年3月末までの期限で府が国から無償貸与を受け避難者に提供してきた。女性が現在も暮らしているため国に返却できず、府が国に違約金を支払う状況となっている。

 東日本大震災後、避難者向けに同宿舎や府営住宅などを提供した応急仮設住宅には、ピーク時の11年末に計426世帯1073人が暮らした。避難者の帰還を促す福島県の要請などを受け、府は自主避難者に対しては今年3月末で提供を打ち切った。来年3月末には避難指示区域からの避難者も退去期限を迎える。