京都大は6日、子宮頸(けい)がんの発症を抑える治療薬候補を使った治験を開始したと発表した。子宮頸がんの主な原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)に感染してがんの前段階にある女性へ投与し、有効性と安全性を確認する。

 治療薬候補は医学研究科の萩原正敏教授らが開発。治験は医学部付属病院で既に4月から開始している。がんの前段階だったり、そうした病変の見られなかったりする成人女性22人に錠剤タイプの治療薬候補や偽薬を投与。参加者自身が専用の機器を使って錠剤を膣(ちつ)内に置く。効果は子宮頸部の細胞を採取などして確認する。今回の治験が終わるまでには、これから1年以上かかる見込み。

 子宮頸がんを巡っては、HPV感染予防のワクチン接種による健康被害の訴えが出たため、厚生労働省が積極的な接種の呼び掛けを控えている。一方で子宮頸がんの罹患(りかん)数は毎年約1万人で、特に若い世代で患者は増えている。

 治験を担当する同病院産科婦人科の濵西潤三講師は「ワクチンの接種が進むことは望ましいが、いずれにせよ子宮頸がんの前段階での治療の選択肢が少ない。まだ数年は必要だが、仮に治療薬と認められれば新たな選択肢になる」と話した。