住民が頭を悩ませている城陽市の私有竹林。道路側にはみ出たり、垂れ下がったりしている枝が目立つ(同市寺田)

住民が頭を悩ませている城陽市の私有竹林。道路側にはみ出たり、垂れ下がったりしている枝が目立つ(同市寺田)

 京都府城陽市で、放置された私有竹林に地域住民が頭を悩ませている。京都新聞社の双方向型報道「読者に応える」に連絡をくれた市内の男性(67)によると、倒れた竹が車の進路をふさいだり、落ち葉が近隣の家に飛んできたりしているという。私有林のため公的な整備は難しく、山城地域で竹林整備に取り組む団体は、竹林経営が利益を生む態勢づくりの必要性を指摘する。

 竹林は同市寺田の住宅街にあり、倒れた竹が折り重なってうっそうとしている。伸びた竹や木の上部が市道側にはみ出し、折れた竹が垂れ下がった箇所も。今月上旬、現地を訪ねた時には、近くに住む女性が路上に落ちた枝をやぶの中に戻していた。

 京都市や木津川市で竹林整備に取り組むNPO法人「京都発・竹・流域環境ネット」(京都市西京区)の吉田博次理事長(68)=京都府井手町=によると、竹は芽を出して3カ月ほどで18~20メートルに成長する。5年以上たった竹は倒れやすくなる一方、1本が重さ100キロほどになる。「所有者が高齢化すると、伐採も難しい」と放置竹林が問題になりやすい理由を話す。

 城陽市管理課によると、私有地の樹木が市道上にはみ出た場合、所有者を調べ、手入れを依頼する文書を送る。倒木が道路をふさぐなど緊急性がある場合は市が撤去することもあるが、「私有地は原則、土地所有者が管理するもの」。所有者が市に依頼し、有料で私有地を除草してもらう制度はあるが、竹や高木は対象外だ。

 林野庁によると、日本の竹林面積は2017年3月時点で約16万6千ヘクタールあり、京都府内には5473ヘクタールの竹林が広がる。タケノコの輸入量増加や竹材需要の低下で利益が生まれにくくなり、放置竹林は広がっているとみられる。

 向日市では17年に市内の竹林所有者にアンケートを実施。財産区を除く全地権者307人の約7割に当たる221人から回答があったが、「将来的に安定的な竹林経営が見込める」とした人は全体の1割強にとどまった。

 同市は17、18年度に観光ルート「竹の径(みち)」周辺で、計約1500平方メートルの私有竹林を、所有者の許可を得て整備した。整備場所を見てもらい、市民の意識を高めて整備ボランティア団体などの育成につなげたいという。

 一方、「竹林の面積に対し、ボランティアを志す人の数には限界がある」と指摘するのは、木津川市山城町で放置竹林問題に取り組むNPO法人「加茂女(かもめ)」(同市南加茂台)の曽我千代子代表理事(70)。「竹をお金にする仕組みをつくらないと竹林整備は進まない」

 同法人は10年ほど前から、竹林を所有者から無償で借りて整備を担い、タケノコ狩りや竹でいかだを作るイベントなどを催している。竹を使った炭やチップ、タケノコの新たな食品などを作り、竹を利用したビジネスも重視している。竹チップは消臭効果が高く、災害時の防災トイレに敷き詰める材料などとしての利用に期待が持てるという。

 曽我さんは「毎年生えてくるという竹の特徴は厄介だが、利点でもある。お金になれば動く人が現れ、自然に竹林整備は進む」と強調する。