ラグビーワールドカップで話題になった「北出丼」を販売するスーパー(東京都府中市)

ラグビーワールドカップで話題になった「北出丼」を販売するスーパー(東京都府中市)

北出卓也選手

北出卓也選手

 ラグビーワールドカップ(W杯)日本代表で京都市出身の北出卓也選手(27)が大会期間中に考案したどんぶり「北出丼」が、ひそかに評判を呼んでいる。所属するサントリーの本拠地がある東京都府中市のスーパーなどで売り出され、料理レシピサイトの「クックパッド」でも調理例が紹介された。予想外の反響に当の北出選手は驚いている。

 「適当に作って、1分ぐらいでできた」という北出丼。ご飯の上に好物のめんたいこと高菜、しらす、ネギを入れ、生卵を落として最後にごま油をかける。瞬く間に代表チーム内でファンが増え、「堀江(翔太)さんはよく『2杯食べてもうた』と言ってました」。

 話題性に目をつけたのが、トップリーグのサントリーと東芝の練習場があり「ラグビーのまち」をうたう府中市のスーパー。「生鮮館和光府中店」は11月上旬から鮮魚コーナーに丼を並べた。酢飯にして、生卵の代わりに温泉卵を使い、色味のあるたくあんを加えた以外は同じ。大塚順也店長(39)は「ラグビー関係のお客さんが多く、北出丼を知っている子どもを見かける。売れ行きも好調」。北出選手によると、居酒屋でも出されているという。

 クックパッドでは、一般の人が北出丼を再現。「W杯で話題になった勝ち飯」「ご飯が進みまくり」などと紹介されている。北出選手は「取り扱っていただいているので悪い気はしないが、びっくりしている気持ちの方が大きい」。ラガーマンとしては複雑な胸の内のようだ。

 北出選手の両親は、上京区で配達専門の弁当店を営んでいる。父の祐一さん(59)は周囲から北出丼の販売を薦められ、商品化に向け出資の申し出もあったという。「心が揺らいだ部分はあった」と明かすが、「家内から『卓也に何が起こるか分からないから絶対やめて』と言われて。商売にはしません」。フィールドでの息子の活躍を静かに見守っている。