「補助対象が広がったのは評価したい」と語る山村さん(南丹市園部町・山村家)

「補助対象が広がったのは評価したい」と語る山村さん(南丹市園部町・山村家)

京都府南丹市

京都府南丹市

 京都府の南丹市教育委員会は、旧美山町域を対象に実施していたかやぶき家屋のふき替えへの補助制度について、適用範囲を市全域に拡大した。国の重要伝統的建造物群保存地区「かやぶきの里」がある同町だけでなく、他の地域でも保全につなげ、職人技の向上や継承にも役立てる。

 市教委によると、2013年の調査で、かやぶき家屋は市内に187棟。美山町が151棟を占めた。園部、八木、日吉の各町には計36棟あり、現在はさらに減少しているとみられる。背景には費用負担の重さがある。かやぶき家屋を全面的にふき替えると1千万円程度かかるとされる。

 ふき替えの補助制度は、旧美山町が1993年度から実施し、合併後は南丹市が引き継いだ。近年、かやぶき技術を含む「伝統建築工匠の技」が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「無形文化遺産」に登録されるなど、保全に向けた機運のさらなる高まりを受け、市教委は4月に対象を旧4町に拡大した。

 園部、八木、日吉各町での補助額は300万円を上限とし、市全体では2022年度は約1180万円の予算を組んだ。市教委は「美山以外でかやぶき家屋を守る人になぜ補助がないのかという声もあった。美山町限定だったのを広げ、家屋と技を守りたい」と話す。

 時代劇や映画で重用されるかやぶき家屋の山村家(園部町)の当主山村三朗さん(75)は「対象拡大は評価したい」と歓迎した上で、現在の補助額ではふき替えは「なかなか厳しい」と指摘。市教委は補助額の引き上げについて「今後の課題」としている。