連合はきょう21日、結成30周年を迎える。

 民間と官公の労働組合を統合した全国中央組織として1989年に発足し、働く人たちの権利拡充に加え、政策実現に向けた政治活動にも力を入れてきた。

 この間、バブル経済が崩壊して経済成長は停滞、国際化も進んだ。非正規雇用やフリーランスが増え、連合を取り巻く環境は激変した。いかに労働現場の切実な声をくみ取り、多様な課題にどう向き合うか―連合の真価が問われている。

 連合は異なる政策や政治主張を超えて結集し、48の産業別組織などが加盟する。当初約800万人だった組合員数は、2007年に665万人にまで減少。今春、非正規労働者の加入が増えて17年ぶりに700万人台に回復したが、組織率が昨年、17%に落ち込むなど厳しい状況に直面している。

 先月開催した定期大会で、神津里季生会長は「全ての働く人が集う労組を構築しないといけない」と訴え、フリーランスや外国人労働者を含め既存の労組に参加できなかった人たちへの支援強化を打ち出した。組織の弱体化に対する危機感の表れと言えよう。

 組織率の低下の要因は若者の組合離れだけではない。今や働く人の約4割が非正規とされるのに、パートや派遣社員らへ働きかけが後手に回ったのが大きい。

 春闘や政治活動が目立ち「大企業の正社員クラブ」とやゆされる連合も、多様な働き方に真正面から向き合わざるを得ない。弱い立場の人を支えることこそ労組の役割という原点回帰でもある。

 一方、「力と政策」を掲げた政治活動はどうか。

 組織力を発揮し、09年に当時の民主党による政権交代に貢献したとはいえ、昨今は支援態勢が立憲民主、国民民主両党へ「股裂き」となり、政治的影響力を十分に行使できているとは言い難い。

 支持母体として野党勢力の再結集を模索するが、20~21年度の運動方針では、従来は明記した支持政党名を外した。連合の政治活動は岐路に差しかかっているようだ。

 組織内で賛否が分かれる原発再稼働など、政策面の違いを克服して結束できるのか。大同団結は30年を経ても課題として残る。

 雇用も政治状況も様変わりする中、連合が取り組むべき問題は過労死やセクハラ、格差是正、外国人労働者対応など数多い。全ての労働者の権利を守るという本来の組合活動に立ち返り、存在意義を示さなくてはなるまい。