京都地裁

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 京都府警の警察官が金融機関からの特殊詐欺被害防止の緊急通報を悪用し、高齢男性から現金計1110万円をだまし取ったとされる事件で、詐欺罪に問われた元巡査長高橋龍嗣被告(38)=懲戒免職=の判決が21日、京都地裁であった。伊藤寿裁判長は「警察官の立場や社会からの高度の信頼を利用した極めて悪質な犯行」として、懲役5年(求刑懲役6年)を言い渡した。

 伊藤裁判長は、警察官の立場を利用した犯行手口について「極めて悪質で、重い非難を免れない」と指摘。だまし取った現金を外国為替証拠金取引(FX)投資につぎ込んだ経緯については「利欲目的かつ自分本位な動機」と述べた。

 被害弁償がほとんどなされていないことなどを踏まえ、「警察全体に対する信頼の低下や、特殊詐欺の被害防止のために構築されるべき金融機関や市民と警察との協力体制への影響は無視できない」として実刑を選択した。

 判決によると、伏見署砂川交番に勤務していた昨年11月10日、京都市伏見区の1人暮らしの男性(78)が多額の資産を保有しながら生活保護を受給していたことを知り、「お金を警察で預かり、受給について調べます」などとうそを言い、同月16日までに2回に分け、計1110万円を詐取した。

 高橋被告は、男性が金融機関で高額の現金を引き出そうとした際、金融機関から府警に寄せられた「特殊詐欺被害の可能性がある」との通報により、男性の資産状況を把握した。

 府警監察官室の姫野敦秀首席監察官は「警察の信頼を損ねるあるまじき事案であり、不祥事の再発防止と信頼回復に努める」とコメントした。