藤井教授(左から2人目)が山陰新幹線の経済効果を示した総会=東京都千代田区

藤井教授(左から2人目)が山陰新幹線の経済効果を示した総会=東京都千代田区

 京都府や鳥取県など2府5県の自治体でつくる「山陰縦貫・超高速鉄道整備推進市町村会議」の総会が11日、東京都千代田区であり、近畿と山陰を結ぶ「山陰新幹線」が建設されると、開業10年目までに国内総生産(GDP)が最大約3兆円拡大するという経済効果の試算が報告された。

 同会議が実現を求めている山陰新幹線は1973年に基本計画が閣議決定されたものの、半世紀近くたった現在も事業化のめどが立っていない。事態を動かすには具体的な経済効果をアピールしていく必要があると判断し、京都大大学院の藤井聡教授に試算を依頼していた。

 藤井教授の報告によると、経済効果は建設に伴うGDPの押し上げと、開業後の利便性向上などによるGDP増を合計して算出した。最大になるのは京都経由で新大阪―米子(鳥取県)間を複線フル規格で整備した場合で、建設費1兆6千億円、開業10年目のGDP増が年間1800億円に上り、累計の経済効果は2兆9600億円に達する。最小は新大阪―鳥取間を単線で整備したケースで、建設費は6900億円、10年目のGDP増は1100億円となり、経済効果は計1兆4300億円としている。

 藤井教授はさらに開業40年目だとGDP拡大効果が建設費の5~6倍になるとの長期試算も説明。「GDP拡大による税収増と新幹線の事業収入で黒字化することが予期される」と述べ、採算面からも山陰新幹線は実現可能との見方を示した。