門坊寺跡には石垣跡が点在している(京都府南丹市美山町河内谷)

門坊寺跡には石垣跡が点在している(京都府南丹市美山町河内谷)

 NHK大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」が来年放映されるのを機に、明智光秀に壊されたとされる大寺院「門坊寺(聞法寺)」の数奇な運命を広く知ってもらおうと、地元の京都府南丹市美山町の有志が「門坊寺を蘇(よみがえ)らせる会」の結成を決めた。

 同寺は飛鳥時代の創建で、平安京を開いた桓武天皇の勅願所となり、天台宗の開祖最澄の丹波道場となった名刹(めいさつ)。同町河内谷にあったとされ、麓の若狭街道は織田信長の朝倉攻めや光秀の丹波攻略に用いられた。ところが、1579(天正7)年に光秀が築城する周山城(京都市右京区京北)の用材に供するため大伽藍(がらん)は解体され、寺領は没収された。
 本尊の釈迦(しゃか)如来座像は周山城そばの慈眼寺に、山門の仁王像は奈良・長谷寺に移り、南丹市の日吉ダム水没地にあった世木林集会所からは門坊寺の大般若経六百巻が見つかった。
 門坊寺や街道筋の歴史を知る人は地元の人でも少なく、門坊寺山にある寺跡は、林の中に埋もれて石垣が所々に見えるのみの状態。このままでは忘れ去られかねないと地元有志が今月11日、寺跡を視察し、その後開いた報告会で蘇らせる会準備会を発足させた。会は来年1月に正式に発足させ、当面は専門家を招いて歴史勉強会や残っている仏像の見学会などを実施する。
 準備会事務局長の長野光孝さん(78)は「行政や文化団体の協力も得ながら上空からの赤外線撮影なども行い、寺跡の全容を把握していきたい」としている。