国内初の感染確認から2年5カ月、日本はいまも新型コロナウイルスとの闘いの渦中にある。

 累計の感染者数は約920万人に上り、死者は3万人を超えた。

 健康被害に加えて人々の生活や経済活動を制約し、子育てや文化面にも落とす影を拭えずにいる。

 相次ぐ変異株の流行に政府の対応は後手に回り続けた。岸田文雄政権も「第6波」で感染力の強いオミクロン株の猛威に翻弄(ほんろう)され、適切な医療を受けられずに自宅や施設での容体悪化が相次いだ。

 医療体制や、経済との両立の課題は残ったままだ。今後の感染症危機への備えが問われている。

 これまでのコロナ対応を検証する政府の有識者会議は先週、平時からの準備が「不十分だった」と報告書で指摘。一元的な司令塔組織が必要との提言を受け、岸田氏は首相直属で総合調整機能を持つ「内閣感染症危機管理庁」や、専門機関を一本化した「日本版CDC」の創設を打ち出した。

 だが、参院選直前の検証はわずか1カ月。政策判断した閣僚や官僚らの意見聴取も行わず、掲げた「徹底検証」には程遠い。岸田氏の唱える司令塔創設に導く結論ありきだった感は拭えない。

 政策の効果や妥当性を曖昧にして組織の器を替えても失敗を繰り返しかねない。何をどう修正するか、具体策の掘り下げが要る。

 与党が訴える司令塔機能の強化に加え、病床確保策として政府は国や自治体が医療機関と協定を結び、流行時に病床の確保を指示できるよう感染症法改正を目指す。感染症以外の患者の受け入れ策を含め、病院間の役割分担や人材確保策も用意すべきだろう。

 平時からの備えでは、野党側も立憲民主党が「コロナかかりつけ医」制度の創設、共産党は「保健所数と職員数の大幅増」を掲げる。日本維新の会や国民民主党は、感染症法上のコロナの位置づけを見直し、感染者対応の負担軽減などを主張する。

 検査体制の拡充、治療薬やワクチンの開発・確保策を含め、多層的に備えを整えていかねばならない。

 緊急事態宣言やまん延防止等重点措置などの検証も必要だろう。飲食店の時短中心の対策効果を疑う声に加え、東京都の時短命令は違法とする地裁判決も出た。

 一方、経営を支える持続化給付金では不正受給が横行し、生活支援の相次ぐ給付金は、ばらまき批判も根強い。各党は「ウィズコロナ」時代に求められる方策の在り方を大いに論じ、競ってほしい。