参院選が公示された。改選124議席(選挙区74、比例代表50)と、神奈川選挙区の非改選の欠員1を合わせた計125議席に545人が立候補した。

 暮らしに直結する物価高対策や防衛費増額を含む安全保障対策などが主な争点となろう。

 参院選は政権選択の選挙ではないが、自民党など改憲勢力が3分の2以上の議席を維持すれば、憲法改正論議が加速する公算が大きい。有権者には日本の針路をにらんだ判断が求められる。

 各党首は第一声で有権者にアピールした。「物価高に対してはエネルギー分野と食料分野に特化した対策を用意してきた」と訴える自民党に対し、立憲民主党は「物価が上がって生活は大変だ。物価高、岸田インフレと戦う」と政治の転換を求めた。

 公明党は「日本を前に進める政党や政治家を選ぶ選挙だ」と呼びかけ、日本維新の会は「自民をピリッとさせないと国民に借金という負担が増える」と強調、共産党は「戦争か平和か、日本の命運が懸かった選挙だ」と主張した。

 国民民主党は「国民に何が一番必要なのか」を行動基準にすると語り、れいわ新選組は「消費税廃止」。社民党は憲法改正反対、NHK党は受信料の見直しと、独自の政策で支持を求めた。

 与野党には争点を明確にし、正面からの論戦を期待したい。

 ただ、各党首の主張からは見えてこない部分も多い。

 岸田文雄首相は防衛費増額を米大統領に公言しながら、財源に言及しないままだ。野党も減税や給付策を訴えるが、財政再建への対応は聞こえてこない。痛みを伴う政策や難題を先送りするのではなく、責任ある国家像を分かりやすく示すことが求められる。

 地元に目を転じると、かつてない混戦が予想される。京都選挙区(改選数2)には現行制度で最多となる9人が立候補した。自民、立民、共産の3極構図が維新の参戦でどう変化するか、京都政界への波及が注目される。

 滋賀選挙区(改選数1)には5人が立った。野党統一候補による事実上の与野党対決が過去2回続いたが、今回は野党の共闘態勢が崩れた。現職と新人の2候補による知事選も同時に行われる。

 各候補は国政はもとより、地域の課題にもどう向き合うか語ってほしい。7月10日の投開票に向け、有権者は訴えにしっかり耳を傾けたい。