長野さんが自作した除草機。チェーンの先端にあるいかりが田んぼの泥を巻き上げて、雑草の繁茂を防ぐ(京都府南丹市美山町)

長野さんが自作した除草機。チェーンの先端にあるいかりが田んぼの泥を巻き上げて、雑草の繁茂を防ぐ(京都府南丹市美山町)

除草機を操縦する長野さん(京都府南丹市美山町)

除草機を操縦する長野さん(京都府南丹市美山町)

 京都府南丹市美山町でコメを作る男性が、無線で操縦する除草機を自作し、水田で大活躍中だ。省力化だけでなく、雑草が生えにくくする機能を持ち、除草剤を減らせる利点もある。山あいの水田を所狭しと快走する姿が「家庭用のロボット掃除機みたい」と、地元で話題になっている。

 工作が好きな長野敏さん(74)が、知人やインターネットから知識を得ながら3年前に完成させた。草刈り機のエンジンやプロペラ、模型飛行機の部品などを組み合わせた機械をボードに搭載。横1・5メートルの棒に等間隔で長さ50センチのチェーン8本を付け、本体で引っ張る。チェーンの先にあるステンレス製のいかりが、田の泥をかき回すのがみそだ。泥が舞い上がって水が濁ると、光合成が阻まれ、雑草が育たなくなるという。

 2020年以降の5~6月に、2~3日に1回使っている。長野さんは「使い始めてから、ヒエが目立たなくなった」と効果を実感する。一定の刺激が稲にも好影響を与え、根がよく張るようにもなったという。

 除草剤を減らせれば安心なコメの生産につながる。製作費も数万円で済むことから市農業委員会も注目しており、農家を集めた見学会を検討している。

 長野さんら農家同士で集まると、「本当のロボット掃除機みたいに自動化できないか」「自作の除草機を集めてレースをしては」など、楽しげな話題で盛り上がるという。後継者不足や高齢化などの厳しい話題が付きまといがちな農業だが、長野さんは「遊び心を持ちながら楽しく農業をして、良いコメを作っていきたい」と笑顔を見せる。