国内外で豪雨や猛暑など異常気象が頻発し、災害が起きている。温暖化の影響が顕著だ。地球環境の悪化を踏まえ、持続可能な社会をどうつくっていくのか。各政党は展望を示さなくてはならない。

 世界の目標は明確になっている。国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)は昨年11月、パリ協定で目標に掲げた産業革命前と比べて気温上昇幅を1・5度に抑える努力を追求することに合意した。

 専門家らによる気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は4月、世界の温室効果ガス排出量のピークを遅くとも2025年以前に迎える必要があると指摘した。

 日本政府は30年度の温室ガス排出を13年度比で46%減、50年に実質ゼロとする方針を掲げる。世界の潮流に遅れてはならない。

 ただ、ロシアのウクライナ侵攻が影を落としている。ロシアからの天然ガス供給が減り、欧州で石炭火力発電を当面活用する動きが広がっている。脱炭素という将来の目標より、眼前の危機の解決に迫られた形だ。

 それでも気候変動のリスクが小さくなったわけではない。参院選の各党公約では、脱炭素・温暖化対策について踏み込んだ主張が見当たらないのが残念だ。

 自民党は脱炭素を成長分野に位置付け、水素・アンモニアの商用化技術の開発支援などを掲げる。日本維新の会はカーボンニュートラルを「成長のチャンス」とし、立憲民主党は10年比で「30年に55%以上削減」、共産党は「50~60%削減」と目標数値を示す。

 脱炭素を達成するには、社会や経済の仕組みを抜本的に見直すことが欠かせない。その具体策を各党とも描き切れていないのではないか。原発活用を主張する党もあるが、事故のリスクを踏まえれば安易に進めることは許されない。

 気象庁気象研究所は、200人以上が死亡した18年7月の西日本豪雨について、温暖化の影響で瀬戸内地域では約3・3倍起きやすくなっていたと発表した。埼玉県熊谷市で41・1度を記録した18年夏の記録的猛暑も、温暖化がなければ起こりえなかったという。

 今年も本格的な夏を迎える前に熱中症になる人が相次ぎ、京都府、滋賀県とも救急搬送が昨年より大幅に増加している。

 各候補も選挙戦で厳しい暑さを実感しているはずだ。温暖化は目の前にある課題であり、対策は待ったなしだと改めて認識したい。