自己PR動画の撮影に臨む京都産業大の学生。初めての経験に戸惑いも見せた(京都市北区・京産大)

自己PR動画の撮影に臨む京都産業大の学生。初めての経験に戸惑いも見せた(京都市北区・京産大)

最新の就活事情について話す立命館大の学生ら(京都市北区・立命大)

最新の就活事情について話す立命館大の学生ら(京都市北区・立命大)

 来春に卒業予定の大学生の就職活動が大詰めを迎えている。今の4年生は新型コロナウイルス禍で大学生活の多くを厳しい制約下で過ごしてきた。そんな中、面接官に強みを伝える「自己PR」に頭を悩ませる学生が増えている。最近は、企業から「PR動画(エントリー動画)」を求められるケースもあるという。どう乗り切るのか。最新の就活事情を追った。

 「自己PRと、ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)は必ず聞かれるので、しっかり準備してきた」。立命館大4年佐々木泰雅さん(21)は話す。6月、第一志望の観光関連の出版社から内々定をもらい、就活は一段落したところだ。昔からある定番の質問だが、「特にコロナ禍では日常をどう工夫してきたかが問われている」という。

 佐々木さんは学生時代、修学旅行の小中学生を案内する観光ガイドのボランティアに取り組んだ。コロナ禍で仕事がほぼなくなった時期もあったが、京都市観光協会などにかけ合い、寺院の特別公開といった別のガイドを引き受けてきた。「自ら前向きに動いて、状況を変えられたのはよかった」と振り返る。

 京都産業大は6月、PR動画のためのセミナーを初めて開催。最近はエントリーと同時に動画を求められる例が増えているといい、学生約30人が撮影や編集の手順を学んだ。動画による採用マッチングサイト「JOBTV」を手掛ける外部講師を招き、話し方や表情の作り方、画面の明るさといった印象を良くするこつを紹介した。

 参加した3年松本勇哉さん(20)は「就活はまだ準備段階だけど、自己PRの動画が必要になるとは知らなかった」とし、「カメラに向かって1人でしゃべりかけるのは不思議な感覚。何度も撮り直すことになりそう」と苦笑いした。

 一方、今年は対面形式の面接を取り入れる企業も。オンラインと併用し、最終面接だけを本社で行うのが主流だ。ただ、授業を含めてすっかりオンライン慣れした学生たちにとって不安は大きいようだ。

 「オンライン面接だからこそ、多くの会社を受けられた。交通費がかからず、時間の調整もしやすい。100社ぐらいにエントリーシートを出した」。そう話すのは立命大4年中野寧々さん(21)。OB訪問や会社説明会も画面上で手軽に体験でき、大きなメリットを感じてきた。目標だったテレビ会社の内々定を得たが、就活はまだ続けるという。「これから対面に戻ると体力も消耗するので少し心配。全力で頑張りたい」と意気込む。

 立命大キャリアセンターの担当者によると、今年の就活生は復活しつつある対面面接に抵抗感を抱くとともに、コロナ禍で過ごした時間が長い分、「どう自己PRしたらいいか分からない」「やりたいことが見つからなかった」といった悩みが増えているという。

 リクルートの就職みらい研究所の調査では、2023年卒業予定の大学生の就職内定率は73・1%(6月1日時点)。現行の選考日程となった17年卒以降で最も高かった。内定辞退が増える可能性も見越して、企業は追加募集などにも力を入れる。まだ内定していない学生のチャンスも十分にあり、就活戦線はしばらく続きそうだ。