ガリ版伝承館(滋賀県東近江市)

ガリ版伝承館(滋賀県東近江市)

堀井新治郎がエジソンから受け取った手紙(ガリ版伝承館所蔵)

堀井新治郎がエジソンから受け取った手紙(ガリ版伝承館所蔵)

 米国人発明家トーマス・エジソン(1847~1931年)が東近江市出身の実業家堀井新治郎(2代目、1875~1962年)に送った手紙が、同市蒲生岡本町のガリ版伝承館で見つかり、27日に同市が発表した。堀井はエジソンが発明した印刷機を基に、父とともに日本初の謄写版(ガリ版)を考案した人物。手紙はエジソンの75歳の誕生日に祝辞を贈った礼状と考えられ、世界的な発明家との関わりを示す貴重な資料と言える。

  ガリ版伝承館は、明治末に建てられた堀井の本家を改修した。手紙は、同館の蔵を整理調査していた昨年10月に、エジソンから送られた手紙や、堀井が出した病気のエジソンへの見舞状の控えなど、電報を含め計8通が見つかった。

 1922年2月16日付の手紙は、タイプライターで「私の誕生日を覚えていてくださり、とてもうれしく思います。お祝いの言葉とお気持ちをありがとうございます。あなたのご好意に大変感謝申し上げます」と英語で打たれ、自筆のサインが添えられていた。

 その5日前、エジソン75歳の誕生日を祝う催しが実業家の渋沢栄一を中心に東京で開催され、その会場から米国のエジソン宛てに電報で祝辞が送られた。渋沢に礼状が送られていることや、会には欠席したが賛同した化学者高峰譲吉に同じ文面の礼状が確認されていることから、同種の礼状と考えられるという。

 今回の発見では、堀井が31年に死去したエジソンの家族に宛てた英語のお悔やみ状の写しなども見つかった。上平千恵学芸員は「堀井父子がエジソンと面識があった事実は確認できないが、後に新治郎はエジソンの印刷機を購入したりしており、個人的なつながりがあった可能性は否定できない」と話している。

 手紙は7月2、3日午前10時~午後4時までガリ版伝承館で、同6日~31日午前10時~午後6時は蒲生図書館(月・火曜と20日休館)で公開される。