日本の研究力の低下が指摘されている。世界との競争を意識し、国は次々と新たな政策を打ち出すが、果たして成果につながるのだろうか。京都大前総長で国立大学法人協会会長も務めた山極寿一氏に聞いた。

 ―日本の研究力をどうみるか。

 「明らかに落ちている。危機的状況とも言えるだろう。背景にはまず、産業界が大学と連携してこなかったことがある。1960~70年代、企業は基礎研究から応用研究、製品開発、マーケットまで全てを自前でできると思い、大学に頼らなかった。でも同じ時期、米国はそれでは駄目だと考え、投資家を刺激し、大学内に数々のベンチャーを作った。そのベンチャーが大学と企業をつなぐ役割を担い、政府も…