ドイツで開かれていた先進7カ国首脳会議(G7サミット)が首脳声明を採択し、閉幕した。

 2月のロシアによるウクライナ侵攻後、初の定例会議となった。国際秩序が揺らぐ中、食料危機や気候変動など地球規模の課題に連帯して取り組む姿勢を表明した。

 焦点となったのはロシアへの制裁強化だ。原油や食料などの世界的な物価高騰を抑えつつ、ロシア経済への圧力を強めるために、新たにロシア産の石油取引価格の上限設定や金の輸入禁止を決めた。

 近年存在感を増す20カ国・地域(G20)にはロシアや友好国の中国なども含まれるため対応は期待できず、G7の役割は一段と高まっている。非道な侵略を続けるロシアに、G7が結束して断固とした姿勢を示した意義は評価できる。

 ただ戦争長期化で先の見えない消耗戦の様相を呈している。圧力と同時に、停戦の糸口を探る外交努力も続けたい。

 ウクライナは世界有数の穀物供給国であり、ロシアの侵攻で輸出が停滞。国連食糧農業機関(FAO)が公表する世界食料価格指数も3月に過去最高を記録した。

 食料危機が現実味を帯び、アフリカ諸国では貧困拡大の恐れが浮上している。世界食糧計画(WFP)は侵攻が続けば、深刻な飢餓に苦しむ人々が「4700万人増加する」と予測する。

 ロシアのプーチン大統領は、穀物価格の高騰は日米欧による経済制裁が原因との主張を繰り返している。それどころか、サミット開催に合わせるかのようにミサイル攻撃を激化させた。

 G7サミットはアフリカやインドの首脳を招き、食料不足の責任はロシアによる黒海封鎖にあると理解を求めた。国際的な連携を強める取り組みは重要だ。

 G7は昨年合意した途上国へのインフラ投資構想を正式に発足させ、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」に代わる選択肢として進める方針だ。さらに食料危機に直面している国に対し、連携して必要な支援を行うことで合意した。

 世界的な危機の回避へ、民主主義勢力の結束をアピールし、覇権主義的な動きを強める中ロをけん制した形だ。

 岸田文雄首相は中東・アフリカ諸国に対する食料支援などに2億ドル(約270億円)を充てると表明した。穀物の多くを輸入に頼る日本も「対岸の火事」ではなく、中長期の供給確保政策の見直しが求められる。