ヒトの直立二足歩行は、手のひらを地面につけるサルの四足歩行から直接進化した、とする研究結果を、京都大理学研究科の森本直記助教らのグループがまとめた。ヒトの歩行は、チンパンジーやゴリラなどのように指の背を地面につける「ナックル歩行」から進化したとする従来の学説とは異なる内容で、英科学誌サイエンティフィック・リポーツで31日発表した。
ヒトに最も近い類人猿であるチンパンジー、次に近いゴリラはともにナックル歩行をしているため、ヒトも二足歩行の前段階ではナックル歩行をしていたとする学説が有力だが、否定する研究者もいて結論は出ていない。
グループは、0歳から大人までのチンパンジー、ゴリラの膝の骨である大腿(だいたい)骨の標本をコンピューター断層撮影し、立体構造が年齢を経るにつれてどう変化するかを詳細に分析した。チンパンジーとゴリラの共通祖先がナックル歩行をしていたとすると、両者の変化パターンには共通性があると考えられるが、解析結果は大きく異なっており、両者の共通祖先は普通の四足歩行であることが示唆された。
また、最も初期の人類であるラミダス猿人は、化石資料の分析から二足歩行だが、ナックル歩行の特徴を示さないという研究報告もあることから、ヒトの祖先はナックル歩行をしていなかった可能性が高いという。森本助教は「体の発生パターンを比較する今回の手法を用いて、ヒトの起源にさらに迫りたい」と話している。
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