弁論後の会見で、被告側の対応に憤る西山さん(中央)=30日午前11時51分、大津市梅林1丁目・滋賀弁護士会館

弁論後の会見で、被告側の対応に憤る西山さん(中央)=30日午前11時51分、大津市梅林1丁目・滋賀弁護士会館

 滋賀県東近江市の湖東記念病院での患者死亡を巡る再審で無罪判決が確定した元看護助手西山美香さん(42)=彦根市=が、国と滋賀県に国家賠償を求めた訴訟の第3回口頭弁論が30日、大津地裁であった。県側が前回の弁論で陳述した第2準備書面について、原告側は「証拠の引用が不当だ」と指摘した。

 西山さんは、人工呼吸器を外した際に鳴るアラーム音を継続的に消す機能について、看護師が人工呼吸器を使うのを見て事前に知っていたとする自白をしている。この信用性を巡り、県側は第2準備書面で、看護師らの供述調書を引用した上で、「(消音継続機能が)看護師らの中で日常的に使われていたことをうかがわせる状況も認められた」と主張している。

 原告側は、看護師の供述調書では消音継続機能を知っていた看護師はおらず、臨床工学技士も臨床で使われることはないと供述しているとし、「西山さんが事前に知ることはあり得なかった」と主張している。このため、30日の弁論で「県側の供述調書の引用は不当で、撤回すべき」と求めた。県側代理人は指摘を受け、「書面で回答する」と述べた。

 井戸謙一弁護団長は弁論後の会見で、「引用する証拠と主張が食い違うことはあり得ず、裁判官がチェックせず読み進めてしまう可能性もある。犯人視問題に匹敵する悪質な準備書面だ」と批判した。

 西山さんは「でき次第回答すると言って引き延ばしている。人の人生を何だと思っているのか」と語気を強めた。