「レンジでチン」のパックご飯や、カット野菜が、今時の暮らしを映す鏡になるという。5年ごとに見直される消費者物価指数の調査品目に来年1月から加えられることになった▼共働きが増え、手軽さから広く普及したようだ。実際は女性の家事負担が依然重いが、台所に立つ男性も増えてはいる。中には、張り切って値のはる食材や器具をそろえるが、手際が悪くて後片づけも大変、と厳しい声も聞く▼そんな連想をしたのは、歴代最長となった首相の姿からだ。消費増税による景気の変調を防ぐと2兆円超もつぎ込みながら、早くも追加経済対策の取りまとめに入った▼災害対策を含み、来年度分と合わせ数兆円規模に値をはらせ、切れ目の無さもアピールしたいのだろう。だが、ポイント還元など複雑な現行対策は恩恵の偏りが指摘され、増税分で始めた幼児教育・保育無償化は予算が足りなくなるという手際の悪さだ▼まして借金頼みの台所事情である。金額を誇って「精をつけろ」でなく、皆の体調と栄養、食べやすさを考えながらやりくりすべきだろう▼きょうは語呂合わせで「いい(11月)夫婦(22日)の日」。かのニーチェは「夫婦生活は長い会話である」と記した。独りよがりではなく、自らの言葉を尽くし、耳を傾ける姿勢が肝心なようだ。