琵琶湖産真珠の養殖場で、齋木雅和さん(右)と話し合う西田さん(滋賀県近江八幡市・西の湖)

琵琶湖産真珠の養殖場で、齋木雅和さん(右)と話し合う西田さん(滋賀県近江八幡市・西の湖)

 琵琶湖産淡水真珠の復活を後押ししようと、大津市大江2丁目のジュエリーデザイナー西田裕胡(ゆうこ)さん(54)が「母貝オーナー制度」に取り組んでいる。近江八幡市の生産者が育てる母貝のオーナーとして、月々定額を支払った後に真珠製品を受け取る仕組みで、その間に養殖場の見学会も計画する。現在全国から50人が参加しており「生産者の思いに関心を持ち、復活を応援する人が増えてほしい」と語る。

 県水産課によると、最盛期の1970年ごろは年6千キロ以上だった湖産真珠の生産量は、水質悪化による母貝の生育不良や安価な中国産の台頭が原因で80年ごろから激減。2012年には11キロに落ち込んだ。今はやや回復し、17年は生産者10軒が24キロを生産した。

 西田さんは宝飾品の制作、販売を行うサロンを営む。14年ごろ、客から教わって初めて湖産真珠を知り、「漂白や染色をしなくてもつやがあり、色や形がふぞろいで一粒一粒に個性がある」と魅力に引き込まれた。

 生産者と交流が深まる中で「琵琶湖産真珠を知らない人も多く、作り手と買い手の架け橋になりたい」と願うようになり、17年にオーナー募集を始めた。毎月3500円を3年間支払うことで、近江八幡市の西の湖で真珠養殖を営む齋木勲さん(78)が育てる母貝1個が割り当てられる。20年11月には初めて、母貝から取り出した真珠を西田さんがネックレスに加工して贈呈する予定。オーナーは随時受け付けている。希望者には来年春から養殖場案内も行う。

 齋木さんは1992年ごろに真珠養殖を廃業したが、2009年に再開。現在は長男の雅和さん(51)も一緒に数万個の母貝を育てている。齋木さんは「昭和期のように作れば売れる時代ではなく西田さんの発信力に期待している」と話す。