ヘイトスピーチとの向き合い方について朝鮮学校の教員や卒業生を交えて考えたシンポジウム(23日午後、京都市東山区・京都女子大)

ヘイトスピーチとの向き合い方について朝鮮学校の教員や卒業生を交えて考えたシンポジウム(23日午後、京都市東山区・京都女子大)

 2009年12月に京都市南区の京都朝鮮第一初級学校(閉校)へ差別をあおる罵詈(ばり)雑言が浴びせられた事件から10年を前に、東山区の京都女子大で23日、ヘイトスピーチ(憎悪表現)をテーマにしたシンポジウムがあった。当時の同校教員や児童がやむことのないヘイトにどう向き合うかを語り合った。

 ヘイトの被害を直視し、差別を許さない社会づくりにつなげようと、同大学の研究グループが企画。約60人が参加した。

 当時、同校の教務主任だった男性(51)が講演し、在日コリアンへの民族教育に取り組む朝鮮学校の歴史を説明。事件を「在日同胞にとっての大切な『ゆりかご』がヘイトの標的に変わった。教育環境が破壊された」と振り返った。「在日が生きやすい社会は日本人にとっても住みやすい社会。教師として、日本社会へどう貢献できるかに思いを持つ子どもを育てたい」と語った。

 パネル討論で、同校の6年生で事件を経験した左京区の女性(22)が「10年で大きな変化があった。ヘイト対策の議論が進み、多文化共生が強調されるようになった。この先、より良い社会になることを願う」と話した。

 事件では、ヘイトスピーチをした在特会メンバーらが有罪となり、民事訴訟で賠償を命じる判決が確定している。