最大震度6弱の揺れが大都市を襲った大阪府北部地震の発生から、きょうで1年となった。

 小学校のブロック塀が倒れ、登校中の女児が亡くなった。学校耐震化の死角になっており、事故を受けて危険なブロック塀対策が加速したが、いまだ道半ばだ。

 全国20政令指定都市を対象に共同通信が実施したアンケートで、危険なブロック塀があった市立小中高校のうち、6割以上で対策が終わっていないことが分かった。

 地震から1年が経過しても、まだ対策が半分もできていないことに驚く。だが、国が設けた臨時特例交付金は2019年度中の工事までが対象だ。

 自治体から支援の継続や充実を求める声が上がるのは当然だろう。子どもの安全が保障されるはずの学校に、危険な構造物が残る状態は看過できない。

 アンケートによると、地震で倒壊する危険のある塀があった市立小中高校は1517校に上り、撤去や補修を終えたのは35%に当たる541校にとどまった。

 臨時特例交付金の額は実際にかかった費用ではなく、国が算定したブロック塀対策費を基に決まる。最大約7割を補助し、20年度以降は従来制度の約3割に戻る。

 このため代替となるフェンスに高品質資材を使えば国の基準に収まらないこともある。

 名古屋市は18年度に約7800万円を支出し、危険な塀があった33校のうち24校で対策を取った。だが、補助は約760万円だったという。

 対策が進まないのは、補助額が実情に見合わないという理由もあるのではないか。

 事故のあった塀は高さ約3・5メートルで建築基準法施行令の制限を超え、必要とされる補強用の「控え壁」もなかった。1974年に設けられ、プールの目隠しのため設置されたともいわれる。

 78年の宮城県沖地震を受け、81年に施行令が厳格化されたが、それ以前の塀の多くは基準を満たしていない。

 アンケートでは同様にプール横に塀を設けた例が目立ち、子どもを守る構造物が安全を脅かしていた可能性が浮かぶ。

 通学路沿いの民有地を含め、危険なブロック塀対策がどこまで進んだか改めて点検し、教訓を生かさなくてはならない。

 子どもが犠牲になる事件や事故が相次ぎ、安全確保が課題になっている。ブロック塀対策は実施すれば着実な減災につながる。撤去や補修を急ぎたい。